ゴールデンウィークの最中、交通事故によって突如命を落とした父と姉。
残された弟は、二人の死に対して抱いた小さな違和感をきっかけに、隠された真相を追い始めます。
平穏を取り戻したはずの日常の裏で、一つずつ手繰り寄せられていく家族の秘密。
疑問が氷解し、すべての点が繋がった瞬間に突きつけられる真実は、まさに「知らなきゃよかった」と思わせるほど残酷で背徳的です。
しかし、崩壊していく家族の肖像を描いたこの物語の根底に流れているのは、決して他人には理解できない、狂おしくも切ない「愛」の形に他なりません。
読後、タイトルの言葉が重く胸に響き渡り、深く静かな余韻が残ります。
人間の感情の奥底にある歪みや、心理ドラマ・イヤミス作品をお求めの方に心からおすすめしたい傑作です。