綺羅星の如く輝く"世界"という名の舞台の裏では、地を這う無名の者たちが蠢き、そして嘆いている。
正しく"光あるところに影あり"を体現したような世界。膨れ上がった影は、闇はやがて光を蝕み、そのまま世界を侵食してゆく──
力なき者は奪われ、殺され、犯される。うわべだけの善や綺麗事が如何に意味を成さない無価値なものであるかを、その圧倒的な表現力で以てこれでもかと言わんばかりに読み手に見せ付けてくる。パッと見た時のインパクトが尋常ではない。人の闇とは斯くの如く深き底なし沼のようなものであるのかと、感動さえ覚える。
力こそが唯一無二にして絶対の理。どんなに言い繕ったところで所詮、弱者は強者の食いものでしかないのだ。
その狂気が余りにも、それこそ狂おしいほどに美しく──
なすすべの無い暴力から始まる物語です。
主人公が自他共に認める悪であり、彼の集めた仲間もくせ者ぞろい。
腐った世の中で、腐ったやつらを食い物にしながら今日も気ままに悪を働く。
……かと思いきや、それらは全てただ1人のために張り付けた、ぼろぼろのメッキでした。
彼女のために、あるいは世界の、彼のために、隠して張り付けて誤魔化した真実。
そんな一見すると、救いの無い復讐劇です。
そしてルビの多い心理描写や場面展開が、観劇を観ているかのような贅沢感を味わえます。
どうか報われてあれと、願わずにいられません。
暗がりからでも美しいものは生まれる。
そうでなくては。
さあ、この復讐劇の皮を被った英雄譚を楽しみましょう!
間違いなく名作。少なくとも私は大好きです。
でも私の語彙で表現するとどうしても安っぽくなるのが歯がゆいところです。
他の方のレビューやコメントでも散々言及されていますが、ダークファンタジーはこうであってほしいよな!というのを体現してくれています。
謎多く闇を感じるキャラクター、残酷でリアルな戦闘シーンと世界観、胸に突き刺さる人々の嘆きや苦しみ。
それでいて、読んでいてストレスは少ないです。なぜなら分かりやすくて面白いから。
もちろん、ファンタジーならではの非現実感や、ちょっとクスッとできる描写も忘れません。
贅沢セットすぎる。
敢えて言うなら、物語の進捗や展開が早いことを求めている人には合わないかもなと言うくらいですかね。
じっくり丁寧に楽しみたい人向けだと思います。
存在に気づいたのが遅かったことを悔やんでいますが、
こんな良質なダークファンタジーが100話まとめて読めちゃう……ってコト!?
という嬉しさすらあります。
皆様も私と一緒に最新話目指して読み進めましょ。