第58話 ギンガ世代のペット達【重要なお知らせあり!】

 「その力を示してください」


 訪れた“高天原たかまがはら”にて、住人のアマテラスさんが口にした。

 同時に、巨大な鏡『八咫やたかがみ』から一人の者が現れる。


「わしじゃよ」

「……!」


 おじいちゃん──彦根ギンガだ。


 八咫鏡は、俺がきょうに感じている影を映し出すという。

 たしかに、おじいちゃんには勝てるイメージがあまりいてこない。

 俺にとっては憧れが強い存在だからだ。


 それを脅威と言うのかもしれない。


《あれがホシ君のおじいちゃんか!?》

《ついに出たあああああ!》

《伝説のおじいちゃんだ!》

《ホシ君やペット達を育てたっていう》

《国民栄誉賞もらえるレベルの偉業》

《見た目はけっこう普通だな?》

《ちょっとホシ君に似てるかも》


 だけど、これはあくまでおじいちゃんの影。

 アマテラスさんが作りだした存在だ。


「また大きくなったのう。ホシよ」

「お、おじいちゃん……」


 その証拠に、俺の四年前の記憶の姿で止まっている。


 優しい顔に、白く下に伸びたひげ。

 少し曲がった腰は、右拳でポンポンと支えている。

 俺の顔はおじいちゃん譲りだと言われてたように、どこか似た雰囲気を感じる。


 さらに、現れたのはおじいちゃんだけではない。

 

「それにペット達も元気のようじゃの」

「……!」


 おじちゃんに合わせて、俺も周囲へ視線を移す。

 八咫鏡によって、ペット達の前にも相手が現れていた。

 おじいちゃんの世代のペット達だ。

 

 わたあめの前には、一回り大きな黒い犬が立っている。


「ガオオ」

「あれは……くろみつ!」


 種族は、地獄の番犬とも呼ばれる『ヘルハウンド』だ。

 その黒い体毛から、名前は“くろみつ”。

 わたあめはよく走り回って遊んでもらっていた。


 同じ犬枠として、フェンリルのわたあめには、ヘルハウンドのくろみつが当たったみたいだ。


《あれってヘルハウンドじゃねえか!?》

《おじいちゃん世代のペット一匹目!》

《フェンリルと並ぶ陸上の最強種やん!》

《やっぱり前世代もとんでもねえwww》

《くろみつってかわいいな笑》

《甘そうな名前》

《食べ物ネーミングは昔から続いてるのかw》


 久しぶりの姿に喜ぶのも束の間、二匹はすでに臨戦態勢だ。

 わたあめも本物じゃないことは理解しており、早く力を示したいんだろう。

 

「ウオォォォォォン!!」


 わたあめは巨大化を果たし、すぐに攻撃に入った。

 じゅうおうじんに周辺を駆け回り、武器であるスピードを加速させていく。

 いくつも分身を生み出す『わたあめラッシュ』だ。


 対して、くろみつも対抗する。


「ガウゥ……ガオオオオオオ!」

「ワフッ!?」


 くろみつがせんじょうに黒い衝撃波を放った。

 範囲がとてつもなく広い攻撃に、わたあめは防御に入る。

 結果的にわたあめの体は止まり、分身も消え去った。


「ワ、ワフゥ……」

「ガウ」


 わたあめは一度地上に着地するしかない。

 おそらく速度はわたあめが勝っているが、攻撃範囲ではくろみつが優勢だ。

 お互いの攻防を経て、二匹は再びにらみ合いに戻った。


 くろみつ相手には、わたあめも一筋縄ではいかなそうだ。


《わたあめラッシュが止められた!?》

《うそだろ!?》

《Sランク魔物をほうむった技なのに!》

《そんな対抗手段があるとは》

《今の攻撃範囲広すぎだろ!?》

《おじいちゃん世代やべえ……》

《頑張れわたあめー!》


 そんな中、上からは二つの咆哮ほうこうが聞こえてきた。


「ギャオオオ!」

「ヒュルルル!」

「あ、あんにん!」


 巨大化したドラゴンのめろんが、空で戦いを繰り広げている。


 相手は、金の両翼を生やした白い馬。

 『ペガサス』の“あんにん”だ。

 ネーミングは杏仁あんにんどうからきている。


《二匹目はペガサスかよ!》

《めろんで空でやりあってる!》

《空中戦かっけええええ!》

《やべえ最強種のオールスターだよもう!》

《また名前かわいいなw》

《おじいちゃん甘い物好きなの?笑》


 すでに巨大化しているめろんは、何度も空であんにんとぶつかり合う。

 でも、めろんが押され気味だ。


「ヒュルルー!」

「ギャ、ギャウ……!」


 あんにんがパカラッと空を駆け、両翼を生かした巧みな立ち回りで、めろんを翻弄ほんろうしている。

 普段のめろんは地上で相手をすることが多いからか、空中戦での経験値が劣っているのかもしれない。


 あちらも厳しい戦いになりそうだ。


《めろんが押されるのかよ!?》

《パワーは勝ってそうなのに!》

《あんにんの立ち回りがうまい》

《めろんも意外と脳筋だからなあ》

《弱点を突かれてる感じか》

《大丈夫、めろんいけるぞー!》


 また、遠くからは熱気が伝わってくる。


「ボオッ!」

「ゴオオ!」

「あっちには、えびちゃんも!」


 フェニックスのいちごが戦っていた。

 赤く燃え上がっている相手は、長い尻尾を内側に丸めているトカゲ。

 『サラマンダー』の“えび”だ。


《えびちゃん!?w》

《もはや別物で草》

《ここにきて予想外のネーミングきたwww》

《たしかに尻尾は丸まってるけど!w》

《やばいそうにしか見えなくなってきた》

《えびちゃんかわいい笑》

《名前の割にはえぐい攻撃してるな!?》


 こちらは、えびちゃんから攻撃を仕掛けたみたいだ。

 丸まった尻尾──は関係なく、普通に口から特大の炎を吐き出す。


「ゴオオオオ!」

「ボ、ボウッ!」


 対して、いちごも正面から受けてみせる。

 いちごは不死鳥とも呼ばれるフェニックスだ。

 再生力にはけているはず。


 だけど、えびちゃんの炎も中々だ。


「ボ、ボオオ……!」


 両者の炎がぶつかり合い、向こうの熱気は増していく。

 それぞれの炎の特徴は、再生と破壊。

 いちごとえびちゃんの対決も、どちらが勝つか全くわからない。


 そうして、高天原の各地でれつな戦いになっていた。


「ワフウウウ!」

「ガウウウウ!」


「ギャオオオ!」

「ヒュルウウ!」


「ボオオオオ!」

「ゴオオオオ!」


 最強種と最強種がぶつかり合う光景だ。

 絵面で言えば、今までのどの配信よりも激しいのは間違いない。


《うわああああああ!?》

《なんだよこの配信は!?》

《最強種同士のぶつかり合いすっご》

《映えすぎだろ!》

《おじいちゃん世代もやっぱつええ!》

《それどころかホシ君世代が押されてるぞ!》

《こんな戦いになるのか……》

《みんながんばえー!》

《お前ら応援しろ!》


 そして、周囲の様子を確認したおじいちゃんは、再びこちらを向く。


「では、わしらも始めるとするかの」

「……!」

  

 準備万端と言わんばかりの表情だ。

 同時に、おじいちゃんの胸に光が灯った。

 今となっては魔核の証だとわかる。


 ただし、

 

「そ、そんな……!」


 光が灯った魔核は、四つ──。




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【重要なお知らせ】

この度、アルファポリス様より本作の書籍化が決定しましたー!

これも皆様の応援のおかげです!!

本当にありがとうございます( ;ㅿ; )


書籍化に伴い、タイトルが『ただのFランク探索者さん、Sランク魔物をぶっとばす~規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした』に変わります。

カクヨムでのタイトルも、発売に合わせて変更します。


そして、発売はなんと6月中旬!

本当にもう少しです!

ホシ君やこの物語が好きだという方は、ぜひともご購入を検討いただけますとすごくすごく嬉しいです!!

各サイトで予約もすでに始まっております!


また、その他の情報も、最新二つの近況ノートに載せています!

“表紙”もノートで公開してますので、ぜひ見にきてください!

ホシ君とペットのかっこかわいい表紙になっています!


こういった報告も含めて、作者の活動を見たいという方は、作者フォローも併せてお願いします!

更新同様、作者の近況ノートや新作の通知が届きます!


それでは、引き続き本作の更新、ならびに書籍版もお楽しみに!

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【Web版】ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす~規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした~ むらくも航@書籍&コミカライズ配信中 @gekiotiwking

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