結婚とは? 家族とは? ペットとは? 夫婦とは? 親子とは? 人間とは?
様々な問いかけが、43,176文字からなされます。
この世界では、誰も結婚しません。子育てもしません。人口の子宮の中から、新しい生命が芽吹きます。
――その中で、類まれなカップルがいました。
それが、湊と詩。
二人は、めでたく結婚し、出産。
――しかし、そこからが大変でした。
色々な問題がどんどんこじれて、夫婦のピンチにまで追い込まれて行く二人。
そんな二人と、夫婦を結ぶモノたちから、我々は様々なことを学ぶことが出来ます。
将来、本当に恋愛が無くなり、結婚が無くなり、子育て、そして親子という言葉が無くなったら。
あなたは、そんな世の中で恋愛をして、結婚をして、子育てをして、最高の過程を作ることが出来ますか?
未来の話。
未来は誰にも分かりませんが、現在アンドロイドは目覚ましい発展を遂げており、十分にあり得る話だと思います。
今、定義、概念が変わりつつあるテーマがふんだんに盛り込まれたこの作品。
未来になってから読むのでは遅いんです。今、読むべき作品です。
人類は伴侶を従順で苦労がないアンドロイドに求め、
出産は人工子宮、育児は施設がスタンダードになった近未来。
そんな世界に生まれ、そんな世界の中で育ち、そんな世界で出会った
二人の若者、湊と詩。
二人を待ち受けるのは、現代日本でも見え隠れするものが
より強くなり、市民権すら得てしまった偏見と無理解。
いつの時代も変わることのない、子育ての過酷さと男女のすれ違い。
そして、人間とアンドロイドの歪な関係を見て育った、心の不全。
本作を通して思うことは、結婚・出産・育児、環境の変化、苦境。
それはその『人』を顕にし、見つめ直し、乗り越えていく。
そんなイニシエーションなのかもしれない、ということです。