七夕と空と宇宙人

黒野羽雪

プロローグ count.0

 私と夕奈は、芝生で空を見上げながら、その時が訪れる時がじっと待っていた。


「もうそろそろかな?」

「たぶんね、無事に帰れてるといいんだけど」


 ちょうどその時、満天の星が輝く中でもただ一つ大きな星を見つけた。


「「見つけた」」


 声が重なる。前は、恥ずかしかったけど、今はこういうことでも嬉しくなる。


「じゃあ、立とうか?」

「ええ」


 私が先に立ち上がり、夕奈を手を差し伸べ、立たせようとする。


「ありがとう、七奈」

「どういたしまして」

「もうあんな遠くまで行っちゃった。さっきまではあんなに近くにあったのに」

「…そうだね」


 夕奈の顔を見る。『宙』を見つめる顔はどこか儚く、目は遠くを見つめているようだった。


「どうしたの?」

「いや、なんでもないよ。ただ可愛いなって思っただけ」

「ありがとう。じゃあ、そろそろ言おうか?」

「うん」


もう一度『宙』を見上げながら、二人で手を取り合い、息を揃えて言う――。


その瞬間、星が輝く。


これは、二人の少女と宇宙人たちが紡ぐ物語。








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