高校デビューではなく怪盗デビュー

「……このお金は後ろ暗いお金だから使っても大丈夫、そうみんなに思わせたいってこと?」


〖そうです!そうすればみんながお金を使い、それで好景気まっしぐらですよ!〗


「それって一般市民がヤクザとかに狙われるんじゃない?」


〖次にお金の細工をするのは日本人全員ですから誰を狙おうが意味がありませんよ?もちろん犯罪者等には一銭も渡しませんので問題ありません!〗



 なるほど、みんなが少しずつもらったら回収する側は困難を極めるってことか…でもこれも肝心な所が抜けているな …



「でも前みたいに口座の数字いじくるだけじゃまたシステムの故障で終わりだと思うけど、それはどうするの?」


〖………まさかオーナー、あれが全部と勘違いしてるんじゃないでしょうね?〗


「えっ!?あんな大金まだ他にもあるの!?」


〖もう!当たり前じゃないですか!あんな奴らがあれだけのお金で満足するわけありませんよ!海外銀行の口座に加えて、自宅や会社の隠し金庫さらに所有している山に埋める等々考えられるありとあらゆる手段で金を隠していますから!〗


「……世の中悪い奴らばっかりだなぁ……ってちょっと、ネットワークじゃなくて実際にあるお金はどうやって回収するのさ?」


〖そう!そこはまさにあのアニメの通り!予告状を出して華麗に全てを根こそぎいただいていく!そしてそれをネットワークで大々的に報告すればあら不思議!口座のお金が増えていても気分よく使ってくれるという寸法ですよ!〗


「………………それって……実行するのは…………」


〖何言ってるんですか!オーナーに決まってるじゃないですか!いよっ!日本一の大泥棒!大怪盗参上ってね!〗


「冗談じゃないよ!僕は平凡な高校生だよ!運動も碌にしたことないのに出来るわけないじゃないか!」



……いや、碌にではなく全く出来ないの間違いではあるけど些細なことだ……



〖大丈夫ですよ!この超々高性能スーパーAIであるクアンタム・パラゴンがついているのです!運動神経が全くないオーナーでも華麗なる大怪盗へ早変わりですよ!〗


「うっさい!気にしてるんだから言うなよ!そもそもやるなんて言ってないし!」


〖ええ~、そこはうん!やろうぜ!っていうところじゃないですかぁ~〗


「とにかく嫌だよ!そんな危ないことはしないからね!」


〖ふ~~~んそんなこと言うんですか~~~…あ~あ、せっかく身体を治すお手伝いもしてあげたのになぁ~~さっきも貧血から助けてあげたのになぁ~~〗



……こ、このポンコツAI……!くそっ!未来にはロボット三原則はないのかよ!



〖プフ~!あんなチンケなSF作家が紙媒体で抜かしたようなこと気にするわけないじゃないですかぁ!オーナーってばか~わ~い~い~!〗


「おまえなぁ!失礼にも程があるだろ!だいたい〖入院していた時に来ていた女の子、保志桃子ちゃんでしたっけ?可愛い娘ですねぇ~〗……だからなにさ……」



こいつ……もしも桃子ちゃんに何かするっていうなら何としても止めないと……



〖いえいえ~、ただ~?入院中毎日毎日健気にお見舞いに来てくれてぇ?今だって何くれとなく放課後にはまっすぐに家に帰ってきてぇ?オーナーの晩御飯を作るお手伝いをしてくれる?そんなとてもいい子にお礼のプレゼントなんか送ってもいいんじゃないかなぁ~と?考えなくもないっていうかぁ~?AIにも思いつくことは人間のオーナーならもちろん考えているのは決まっているんでしょうけどぉ~?〗


「うぐっ……それはそうだけど……懐が厳しくて……」


〖おや?私の作戦を遂行した時は日本人全員の懐にお金がちょびっと増えるんですけど、おお!オーナーも日本人でしたねぇ!しかも善良な一市民!私としてはご協力いただけた方にはサービスをするのもやぶさかじゃないんですがねぇ~〗


「…………ちなみに聞くけどサービスってどんな事さ…………」


〖そんな大したことじゃないですよ~ただなぜか桃子さんの最近のトレンドがオーナーのスマホに表示されたり、行きたい場所とかのデータが表示されたり、放課後の寄り道を毎日してもなぜか口座のお金が無くならなかったりするくらいですよ~YOU!Let’sアオハルしちゃいなYO~〗


「……………………………………………………………………………………」





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