いつの頃からか、人類にかけられた呪いのように、一部の少女たちが花憑きとなるようになった。
彼女たちは長くは生きられず、頭にある蕾から自分がどんな花として開花して終わるのかをうっすら想像できる。
また、花憑きは不吉なものとして扱われることもあり、家族ともうまくいかなくなる場合もある。

本来なら縁遠いはずの死や葬列を身近にし、それでも少女らしく美しく咲きたいと願いもする。

そんな彼女たちの願いや祈り、戸惑いや憧れを込めた日常や、花憑きという現象による新たな文化の変化、それを克服するための動きなども描かれており、ただの美しい幻想譚に終わらない物語となっている。