第15話 戦場3 もう一つの戦場
ラスボス登場まで三秒、二秒、一秒。
◇◇◇◇◇◇
『眼下に敵のボスたちが逃げていくのが見えます』
『今生き残っている参加者全員にボスたちを仕留める権利があります』
『ボスを仕留めた者がこのステージの優勝者です』
『優勝者にはボーナスポイントが与えられます』
◇◇◇◇◇◇
画面が変わり地上を四両の戦車が走っている。
◇◇◇◇◇◇
ZeroOne「あれをやっつけたら終わりなの?」
Louis「でも、この状況……今、私たちの周りにいる人たちの方が強敵でしょ」
ZeroOne「ほんとよ。どうする気なの。この人たち」
Louis「私たちを置いて戦車に向かっていく感じじゃないわね」
ZeroOne「でも、私たちも攻撃できない」
◇◇◇◇◇◇
カガミ「サトル君。作戦実行よ」
サトル「ああ、タカシ。あとは任せたぞ」
タカシ「OK」
その次の瞬間。
◇◇◇◇◇◇
一瞬、
ZeroOne「キャー」
Louis「危ない!」
あまりの至近距離で一瞬の出来事だった。
麗と泪は
◇◇◇◇◇◇
夜の繁華街、まだまだ表通りは人通りが多かったが一つ路地を入れば人目に付かない危険な場所もたくさんある。
四人の鉄パイプを持った男たちに追われていた男はもう体力の限界だった。息を切らせながら路地裏に逃げ込む。
その繁華街の表通りを一機の黒いラジコン戦闘機が人混みを縫うように、どこからか飛んできた。
静かな音で、しかも高速で夜の繁華街を飛んでいく。人々は一瞬何が通り過ぎて行ったかもわからないという感じだった。
この雑踏の中、ものすごいスピードで飛んでいくラジコン戦闘機は標的を見つけたのかさらに高度をグッと下げた。
人の頭の高さぐらいのところを低空飛行していく。
「なんだ?」
思わずしゃがむように頭を下げ驚いた表情で見る人。
「何なの? こんなところをこんな時間に……」
呆気に取られる大衆を横目に、ラジコン戦闘機は建物の間を縫って路地裏に消えた。
雑居ビルが立ち並ぶ路地裏。逃げていた男はついに袋地になったところに追い詰められた。四人の鉄パイプを持った男たちはゆっくり近づいていく。
「ずいぶん手こずらせてくれたな」
追い詰められた男はもう走ることができなかった。
「悪あがきすんな!」
鉄パイプを持った男が怒鳴る。
◇◇◇◇◇◇
眼下に戦車が四両走って行くのが見える。壊れて果てた建物や大破した戦闘用の車両など障害物が多い。
最後に残った一機、タカシの機体は、それらの障害物とラスボスの四両の戦車軍団のミサイル攻撃をかわしながら飛んでいく。
タカシ「よし、まず一両目、ロックオン」
ミサイルで撃破した。
タカシ「続いて二両目だ」
呆気なく二両撃破。
◇◇◇◇◇◇
……その時、パシュッという静かな空気音のような音とともに、鉄パイプを落とすカランという音が聞こえた。同時にドサッという音……
一人の男が倒れた。
「ん? なんだ。どうした」
振り返ると同時に、もう一度パシュッと同じ音がして、もう一人男が
「おい! 大丈夫か? なんだ?」
倒れた男に別の男が近づく。
「し、死んでる」
ラジコン戦闘機は一度旋回して態勢を整える。
◇◇◇◇◇◇
サトル「よし、タカシいい調子」
カガミ「あと二両よ」
タカシの機体は一度旋回して態勢を整える。
今、ゲームを終えた麗と泪も一観戦者として、この攻撃シーンと彼らの会話が見れる状態になっていた。
◇◇◇◇◇◇
男の一人がラジコン機に向けて鉄パイプを投げて来た。
◇◇◇◇◇◇
難なくかわす。
タカシ「悪あがきすんな!」
ロックオンして撃破。
◇◇◇◇◇◇
ラジコン戦闘機からミサイルが発射された。一寸の狂いもなく男の眉間を打ち抜いた。
「な、なんなんだ?」
リーダー格の男も一瞬にして仲間三人を目の前で殺され、たかがラジコンなどと思えない様子だった。
「新手の軍用戦闘機か何かか?」
狙いを定めて鉄パイプを投げる。
◇◇◇◇◇◇
ボス戦車はミサイルを発射してきた。
タカシ「そんな攻撃、通用するか!」
タカシの機体は、いとも簡単にミサイルをかわした。
◇◇◇◇◇◇
ラジコン戦闘機は、いとも簡単に鉄パイプをかわした。
遠くで、カランカランと鉄パイプの音が響く。
◇◇◇◇◇◇
タカシ「このステージも頂きだ!」
ミサイルを発射。ボス戦車を撃破した。
◇◇◇◇◇◇
リーダー格の男も眉間を打ち抜かれその場に倒れた。
そして、黒いラジコン戦闘機は
◇◇◇◇◇◇
『おめでとうございます』
『ボーナスポイント三十ポイントが与えられます』
『また次回のステージでお会いしましょう』
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