第18話・リミエル精霊神への道・始動偏
「リミエ~~~ル、ただいま」
「あ、おかえりなさいなの、天略お兄ちゃん」
俺の胸に飛び込んでくる可愛らしく愛らしいリミエル。
容姿は天使という言葉が相応しい、金色の髪に藍色の瞳を持ち小柄な体躯ながらも確かな女性らしさを感じさせつつ、絶対に汚してはならない不可侵略を感じさせる。
元気一杯で俺やフィーナ含め皆から愛されている。
ただ、その過去は壮絶で、今こうして笑顔で過ごしていることが本当に奇跡の様、いや、リミエルの心の強さを感じる。
因みにリミエルの口癖はなのだ。めちゃくちゃ可愛い。
「ああ、ただいまリミエル」
優しく抱きしめ、頭を撫でる。
嬉しそうに眼を細めながら俺をぎゅっと抱きしめてくれる。
嗚呼、本当にこの可愛らしい笑顔を守らなきゃな。
「という訳でリミエル、これあげる」
異空間から精霊王の結晶を取り出して渡す。
「これは何なのなの?」
「これは精霊王の結晶。リミエルを強くしてくれるアイテムだよ」
「私を強く・・・それって天略お兄ちゃんとかフィーナお姉ちゃんに凛お姉ちゃんに可憐お姉ちゃんとかと一緒にダンジョンに潜れるってことなの?」
「ああ。そうだよ。リミエルが俺達とダンジョンに潜りたいと思ってるのは知っていたからな。これを使って強くなって一緒に潜ろうな」
「ありがとうなの」
「どういたしまして。リミエルも俺の大切な家族の一人だからな。これくらい当たり前だよ」
「じゃあ、早速使って見るなの」
・・・・・・・・・
リミエルが精霊王の結晶を握ったり、持ち上げたりしてみるが、何の変化も起きない。
「これ、どうやって使うなの」
「あ~、えっと・・・」
ふと鑑定した時の内容を思い出す。
確か、保持するだけで精霊王の力を使えて、摂取することで精霊神への挑戦権を得れるとかだったっけ・・・。
摂取?
摂取ってどうするんだよ。食べるの?え?これ食べるの。
大きさは握り拳大くらいある無色の結晶・・・食べれるの?というか美味しいのか?
「一応、持ってるだけで精霊王の力を使えるらしいけど、精霊神へと至るための挑戦権を得る為にはこれを食べる必要があるらしい」
「食べるなの?天略お兄ちゃんがそういうなら分かったなの」
一切の躊躇なく、精霊王の結晶を食べた。
とはいえ、リミエルの可愛いく小さなお口で一口で食べれる訳もなく、少しかじるような形にはなる。
「ん、とっても美味しいなの」
「美味しいの?そうか、それなら良かった」
「うん。甘くて程よく硬くて、口の中で味が次々と変わってとっても楽しい飴ちゃんなの」
「飴、そうか、精霊王の結晶は飴なのか。いや~、初めて知ったよ」
誰得知識というか、一生縁のなさそうな知識ではあるけど・・・。
「天略お兄ちゃん、ただ大きいから食べるのには少し時間がかかりそうなの」
「ああ、別に無理しなくてもいいよ。ゆっくり食べてくれ」
「分かったなの。じゃあ無理せず少しずつ食べるなの」
「うん。分かったよ」
―――――――――――――――
リミエルちゃんの過去編はいつかやります。
いつか・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます