他人の気持ちを完全に理解するなんて、できっこありません。
この作品を読んで、「分り合うことの難しさ」、「だからこそ、言葉にする大切さ」を何度も痛感しました。
知子さんはもとの世界に戻るために、身近な人々のこころに触れます。
彼女の目線だと、お母さんは厳しくて容赦ない人物像なのですが、母親の事情を知ると今度は夫が嫌なヤツに見えてきました。
不思議です。その人の苦しみや決意を知っている時と知らない時では、「受け入れる」心持ちが変わりました。勘違いしたままミゾが深まるのは、とても悲しいです。
感情はちゃんと伝えないと「分り合うこと」からさらに遠のいてしまいます。
この物語を読んで、生きづらさに気づき、どの選択が良かったのか考えさせられました。
多くの人は「何が困っている」のか知りません。
まして、会ったことのない人には想像さえできません。
ぼんやりと存在を知っているのと、当人の感情を知るのでは、全然違います。
この作品は、気づくきっかけとなりました。