第35話 ウル
「それじゃ、ダンジョン探索を再開しようか! ウルは5階層の探索になるけど大丈夫か?」
「問題ないよ。マスター!」
元気に返して来たのは、新たに仲間になった《木工職人》のウルである。ウルは『ハイエルフ』で《精霊魔法》の適正が高い。
大量のオーク変異種の<魔石>は全て《魔石交換システム》に取込んだ。アイリスは加速度的にエンダールの開拓を進めていき、エンダールには<川>が流れ、果樹園の奥には実り豊かな森が広がり、遠目には乳牛の世話をするゴーレムまで伺える。
訓練場も拡大され、訓練用の魔導具などの設備も増えつつあった。その結果、《魔石交換システム》の交換リストが新たに更新され、追加されたのが《木工職人》だった。交換しない選択は無いので、みんなで出迎えて召喚した。
そうそう3人は無事に《進化》を終えたようだ。アイリスは『冥王種』、バラゴスは『エルダードワーフ種』、デザイアは『羊獣王種』に《進化》した。ウルの成長を兼ねて4人で頻繁にダンジョン4階層を探索して実力を上げて来ていた。4階層であれば、4人で問題無く安全に探索出来るレベルである。まぁ…森のダンジョンだから、ウルは種族がら相性が良いとも聞いている。
俺はって? 俺は進化した身体の確認とスキルの調査に時間を費やしたかな? 進化したお陰で覇に耐えられる肉体も出来てきたしな。
ウルとの『従者契約』を結んだお陰で、エクストラスキル『八星』を習得した。『八星』は八属性の聖霊矢を放つスキルで、特性上遠距離であればあるほど威力を増す性質を持っている。実際、魔法を放つより使い勝手が良い。
◆エクストラスキル 『八星』
ランク EX
能力 精霊の力を借りて八属性の矢を放つ。
※遠距離であるほど威力が増加する。
◇遠距離超特化型のスキルで対象までの距離に応じて威力が変わる。弓などの武器を必要とせずに弓技を扱えるのは使い勝手が良い。
ウルは精霊に愛されている。それはウルの周りを楽しそうに飛び交う精霊達を見ればわかる。なんでも《風精霊-シルフィ》、《火精霊-イグニル》、《水精霊-アクリア》、《土精霊-ノームリア》というらしい。
ウルは現在4体の精霊と契約している。普通は1体の精霊と契約するだけでも難しいのだと言う。何で知っているかって? それは『叡智』先生に聞いたからだよ。ただ、『叡智』先生の能力を使うと頭に負担がかかるから調べたいことは厳選している。
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ウル
レベル 8
種 族 『ハイエルフ種』
職 業 『精霊姫Lv.3』
称 号 『神木の木工職人』『従者長』『精霊愛し子』
体 力 33470/33470
魔 力 46600/46600
攻撃力 『C』
耐 久 『D』
俊 敏 『A』
器 用 『B』
知 力 『B』
運 『A』
種族特性
『森食』
ユニークスキル
『
エクストラスキル
『神木職人』
スキル
『精霊召喚Lv.4』『精霊眼Lv.3』『精霊強化Lv.2』『精霊憑依Lv.1』『弓術Lv.3』『体術Lv.2』
契約精霊
[火精霊-イグニル 《3》] [水精霊-アクリア 《3》] [風精霊-シルフィ 《3》] [土精霊-ノームリア 《3》]
武技
【体技】[闘戦法 《1》] [闘活法 《1》]
【弓技】[誘導魔矢 《3》] [貫通魔矢 《3》]
装備
弓 『魔樹の弓』
防 具 『ミスリルの胸当て』 ➡
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ウルは精霊の助けを借りて精霊魔法を発動する。戦闘スタイルは精霊魔法が中心である。
精霊魔法は魔法と比較しても威力が高い。精霊にお願いして発動することから、《魔法陣》や《魔法回路》を介さないので発動速度も速い。
ただ、精霊と契約でき無いと扱えないので、そもそも使える者は少ない。
ーー5階層に足を踏み入れた。5階層は4階層に引き続き森のダンジョンのようだ。ただ違うのは、森に漂う魔力が濃密で肌にヒリつくような圧迫される感じが漂っていること。
グローリアが常に『自動広域探知』を発動しているので、強力な魔物の反応が至る所から感じられる。今回はアイリスが影に潜み、前衛にデザイアとバラゴス中衛にウル、後衛には俺が配置している。本当はウルが後衛なのだが、今回は安全を考慮して真ん中に配置している。
森の中は高い木々に囲まれて、天から日が薄っすら指しているだけだった。だから少し薄暗いが、影に潜るアイリスや森に溶け込むように姿を隠すウルにとっては有利に行動できるのでデメリットは少ない。
進むこと数分、5階層に入って初めての魔物と遭遇した。[マップ]で周囲を確認するが、近くに他の魔物の反応は無い。まずは5階層の魔物の強さを確認しておきたかったから調度良いな。
ズン! ズン! ズン!! メキメキメキ…
地面が揺れる…森の奥から木々を薙ぎ倒して巨大な何かが近づいて来るのがわかる。そして、姿を現した魔物を俺達は見上げた。
デカすぎだろ!!
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鑑定 『アーマータラテクト』
ランク C
レベル 80
体力 4800/4800 魔力 1500/1500
攻撃力『C』 耐 久『C』 俊 敏『D』 器 用『C』 知 力『F』
スキル 『突刺し』『甲殻』『猛毒液』『鋼糸』
弱点 『火属性』
*巨大蜘蛛タラテクトの変異種。外殻が異常に発達したタラテクト。その外殻は非常に頑丈で攻撃が届き難いので注意が必要である。
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脚が長く、そのせいで大きく見える。高さでいうと10m越えだ。前足二本が異常に太く、まるで蟹の手のようになっている。あの腕で守られたら面倒そうだ。
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