ガランヘイム編
第29話 4の大地
ルクス達は内戦後、宿屋でユイの配下の七白雪のミチルに合流した。
「ルクス様、すこし気になる情報をお持ちしました」
「ねぇーレイラ。ミチルが来たよ!」
ルクスは能天気に笑っていた。あとから廊下からコツコツと歩いてきたレイラがミチルをおもてなした。
「それで情報とは何でしょうか?」
「はい、実は情報は二つあり先に悪い方か良い方か選んでくれませんか?」
「分かった悪い方で!」
「承知しました。先日このサリエス教国で内戦が終わり、それを見ていた4の大地の聖王国がルクス様を神の敵だと判断しました」
「それは……。その聖王国は強いの?」
「レイラ様たちの実力なら容易でしょうが……」
ミチルはその次の言葉を言う前にレイラの顔を確認してもう一度話し始めた。
「だが……その聖王国は
「なるほど……私たちの最悪戦争の時にはそんなものはいなかったことを考えると、やはり私たち守手を警戒して対策をしてきた……か」
「おそらく……。そして良い方は、簡潔に言いますとルクス様の記憶が完璧に戻るかもしれません」
「なに!!」
レイラは目を飛び出して驚いた。あのルクスが昔にもどることを考えたら興奮が止まらなかった。その状態をみたミチルはレイラの事を気にせず話始める。
「聖王国の情報を探りに行っていた際に聖王が【記憶の書庫】と言う名前を言っていました。その記憶の書庫はこの世で抑えなければならないものや封印しないと世界が混沌に見舞われる、このようなものを保管している場所と言う風に話していました」
レイラはでかしたぞ!という風にミチルをほめてその記憶の書庫のありかを探すことにした。レイラで候補は上がっている。例の聖王国がある場所はこの大地ではなくもっと奥に存在する4の
「ルクス、4の大地のガランヘイムに行くけどルクスもいくよね?」
レイラがルクスにそう聞いた時だった。ルクスはまたボーとしていた。
――ガランヘイム、高密度の
ルクスの頭の中でそう聞こえたが、特に気にすることなくガランヘイムに行くことにした。向こうの大地ではまともに暮らせるとは思えないため、できるだけ準備をしていくことにする。
準備をしていると部屋の廊下の方からトコトコと歩いてくるユイの姿が見えた。
「ユイどうしたの?」
「あ!。レイラさん。私はこの国の統治をしないといけませんので、一緒には行けませんがもし危なくなったら私を念話で読んでください!」
「それはありがとう!。助かるわ」
そんな会話をしている内にガランヘイムに行く準備が終わった。そしてこの宿を貸してくれたミシェリーさんにもご挨拶をしに下に降りたら、快くまた来てねと一言を告げられ、ルクスとレイラは4の大地ガランヘイムに出発することになった。
出発して4日ほどたった。この辺りはやけに魔物が多いいが、その魔物は全てルクスの遊び相手として狩りつくされていた。魔物は昔から悪魔の使いとされて煙たがられているから別にレイラも気にすることなかった。
亜人種と魔物はまったくの別物だ。亜人種は人の心があり魔物にはそれがない。魔物は非常に残忍な殺し方が好みで、捕まれば終わりだ。そう被害者が出ないうちに倒し尽くすのが早い。
「ルクス着いたよ!」
「お!」
「ここがガランヘイム……懐かしい」
「見覚えがあるような無いような……」
レイラはそう話したルクスの顔を向いて驚いた表情を浮かべた。レイラは確信したのは何かが起きた時をトリガーを軸にして、少しずつ徐々に記憶を戻している事だけは分かったがこれを待ってれば流石に遅すぎると結論付けて大人しく記憶の書庫を探すことにした。
「例の奴が我らが大地ガランヘイムに到着した」
「よかったではないか私が頭を下げてまで心力に頼み込んで見てもらった甲斐があったではないか」
「それもそうですな。でもガランヘイムに来た理由が分からんぞ」
「おそらくだが見ていたことがばれて、侵略に来たとかでは?」
「でもなんのメリットがあるんだ?」
「分かりませんが相手は破壊の限りを尽くした奴だぞ。我々には分からないメリットがあるやもしれない」
黒い闇に包まれた人物がつぶやいた……。
「へぇ~。あの子がここに来るのか……。面白い事になるね……」
この世界の滅亡がもうすでにカウントダウンが始まっていることにこの時は聖王国もルクス達も気が付いていなかった。この変化はほんの一部の場所では変化が始まっているというのに……。
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