争いが持つ悪意の中に、温かさや優しさが存在すると知れる物語

主人公とカルミアの運命的な出会い。
そして残酷にも続いていく争いの世界。
かつてヒーローを夢みた主人公の持つ優しさ、そして苦しみと残虐さ。
主人公に救われたことで、生存したカルミア。
戦場において、曖昧な優しさは命取りになるかもしれないけど、主人公の優しさがあったからこそ、カルミアが新たな物語を紡ぐことが出来たんでしょう。
久しぶりに、短編小説で涙が出ました。
この物語は決してハッピーエンドではありません。
しかし、主人公がカルミアの手で死しても、主人公の意志は消えない。
何故なら、カルミアは主人公の意志を知っているから。
きっとこの世界で続きの物語を紡ぐのはカルミアで、物語はまだ終わっていないんでしょうね。
だから、この物語のエンディングはまだまだ先なんでしょう。

素晴らしい小説が読めて光栄です。
現状を変えられない時、何かを諦めてしまいそうになった時、ぜひお手に取ってみてください。
きっと、あなたの心に温かさをもたらしてくれるはずです。