第25話 生存説

翌朝、僕らは昨日受付のお姉さんに言われた通り冒険ギルドに来ていた。

冒険ギルド到着すると、また例の部屋まで直ぐに連れていかれた。


「ご、ご無沙汰してます。コスモス様。」

「コスモスさん、毎度毎度暇なんですか?」

「ひどいなミドル君は。僕も仕事で来てるんだ。まあ、座りたまえ。」


僕はゴートテイマーに促されるまま椅子に腰かける。


「それで、今回は魔物特異化事件の事ですよね?」


僕がそう尋ねる。


「ああ、そうだ。また、キング・クロンダールのような魔物が今度は山の上の町、ミスーに現れた。」

「また、ですか。」

「また、あんなやっと戦うの?!」

「約束通り、無理にとは言わん。」

「詳細を聞かせてください。」


僕がそう尋ねるとコスモスは今回の事件の内容を話し始めた。


「今回の魔物はワイバーン・エースだ。」

「「ワイバーン・エース。」」

「ああ、通称空飛ぶトカゲと呼ばれている通常のキング・ワイバーンならギルドの依頼で何とかなるのだが、今回はワイバーン・エース。火を吐いたりと魔法を使ってくるので、厄介なのだ。君たちがダンジョンの20階層を攻略したと聞き、同じ空飛ぶ魔物関係で絶好のタイミングだと思い、呼んだということだ。どうだい?協力してくれるかい?」


この人は僕らがダンジョン攻略にひと段落して、断る理由がない状況で頼んできたのだ。結構やり手だな、そう思いながら隣に座っているサラに目くばせをする。


サラも同じ考えだったらしく、僕らは頷きあう。そしてゴートテイマーに返事をする。


「分かりました。受けましょう。」

「そうか。君たちならそう言ってくれると思っていたよ。感謝するよ。出発は明後日、できれば一週間以内に討伐してくれると有難い。」

「人使いが荒いですね。」


僕らはそれから詳しい話を聞き、ギルドを後にし、そのままダンジョンへ向かった。

今回はもっと深い階層、先に進むのではなく、今までの階層を再び回った。


しばらくダンジョンでモンスターを狩って回っていると、アストレアが話しかけてきた。


「ミドル様、わたくしのレベルが20になり、また新しいスキルを覚えました。」

「おお、久しぶりだな。今度はどんなものを覚えたんだ?」

「精神感応テレパシーです。」

「テレパシー。って、あのテレパシーなのか?」

「恐らく、そうでしょう。」

「そうか、少し試してみるか。」


そう言って僕はサラ達を置いて、一人でダンジョンの外へ出た。


『ミドル様、聞こえますか?』

『ああ、聞こえる。ちなみにどれくらいの距離まで話せるんだ?』

『距離はまだ、今は分かりません。しかし、限度はあると思われます。』

『そうか。サラとかとも話せるのか?サラ〜。』

『おっ、ミドルの声が聞こえる!ミドル~。聞こえる~?』

『聞こえるぞ。』

『アストレアさんすごいね!』

『そうだな。あいつにはいつも驚かされてばかりだ。今からそっちに戻る。もう少しダンジョンを探索してから帰ろう。』

『分かった!』


僕らはしばらく、探索しドロップ品を冒険ギルドに全て提出し家に帰った。




────────────




「隊長~!!大変だ~!!」

「ハケスにレノン。久しぶりだな。そんなに焦ってどうしたんだ?」


サモンズ殺害に失敗した後、ハケスとレノンが向かった先は、殺害対象のサモンズの元だった。

2人は力強く扉を開けた。


「あいつが、あいつが生きてるかもしれない・・・・。」

「あいつって誰だよ。幽霊でも見たって顔してるけどよ。」


サモンズは笑いながらハケスにそう尋ねる。


「そのまさかだよ。あの時隊長がダンジョンに落とした。」


「「エンニオ・ミドルだよ!!」」


ハケスとレノンが口をそろえて発したその名前にサモンズは固まる。


「い、今何て?」


自分の聞き間違いであることを祈るようにサモンズはもう一度問う。


「エンニオ・ミドルが生きてるかもしれないんだよ!」


二度同じ名前を聞き、サモンズも聞き間違いではないことを確信する。


「どういうことだ!?詳しく説明しろ!」

「ハケスと一緒にサモ・・・・。」


レノンは口を閉じる。このことを詳しく説明しようとするとサモンズを殺そうとしていた計画がばれてしまう。そう思ったからだ。


「どうした!?早く教えろ!」


「レノンと一緒に街を歩いていたら、レノンのパートナーのスクアラルが鳴き始め、いきなりある方向に飛び始めたんだ。それを追ってくと遠くに二つの人影が見えたんだ。」

「その一つは、エンニオ・ミドルのようだったんだよ。だけど、確信を持つ前にその人影はいきなり消えてしまったんだ。」


黙ったままのレノンに変わりハケスがかいつまんで説明する。


「そいつは幽霊じゃないのか?お前らの見間違いでもないのか?」

「幽霊なんかじゃない。あれは絶対人だった。」

「そうか、あいつが生きているとは思えないが万が一だ。手を打っておく。報告ありがとな。」

「俺らも協力するからな。」

「ああ、いつでも頼ってくれ。」


そうしてミドル生存説が少しづつだが、密かに流れ始めた。



―――――――――――――――――




皆さん、ご無沙汰しております。


いつも私の作品を読んでいただきありがとうございます!!


『テイマーだらけの世界で「飼育パートナーなし」と告げられたが、なんかすげーパートナー出来たのでゴートテイマー目指し直します。』

はいかがだったでしょうか?


これからもミドルたちの成長を温かく見守っていただけると嬉しいです。


面白い!、続きが読みたい!!と思った方はぜひコメントやいいね、★★★を残してくれると嬉しいです。


どうも、みっちゃんでした!(^^)!




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