第5話 クズ
「えー…、前々からやけど見事なクズっぷり。クズの上書きしまくるやん。逆にスゴイわ」
親友に居酒屋で相談。ことの顛末話すと、ネタですかってくらい笑われる。
「ほんまにな?」
笑ってくれて救われた。一緒に落ち込まれたり、たくやに怒ったりされても反応に困る。
「で、どうすんの?自撮り女の事言って白状させるん?
別れるん?」
「…別れる…?」
「あのさぁ、なんでまだそこで疑問系なん?
もう別れなよ!
遠距離無理って最初から言ってたし、無理なん自分でも分かってるやん!
待ってたら戻ってきてくれるかもーとか甘い事言ってたら時間過ぎるだけで無駄やで?」
「うぅー…」
その通り過ぎて言葉が出ない。
第三者からみたらなんでまだ付き合うって選択になるのか謎だろう。
頭ではわかってる。けど、別れたくない。
何で好きなのか自分でもよくわからないけど好きなものは好き。
うちもどうしようもない…
携帯が鳴る。洋介の表示。この子は仲のいい男の子。
「出なよ」って親友に言われて電話に出る。
暇で、何してるかなってかけてきたらしい。
親友と家の近くの居酒屋で飲んでるって言ったら合流する事になった。
「周りの男、クズばっかじゃない?」
グサー!!
「それ、わかってても言わんとってほしい」
洋介は背も高くてかなりのイケメン。
洋介が医療系の専門学校に行ってる事もあって、話も気も合うからよく遊ぶ。
洋介は男女の概念がちょっと変わってる。
好きな子はそばにいて欲しいらしく、何股かけてもバレんように上手にするし、間でちょこちょこつまみ食いもする。
彼女1人の方が珍しい。
女の敵みたいな最低な男の子。
一夫多妻制の国に産まれるべきだった。
うちとは高校の時に一時期両思いで、付き合ってもないのにエッチしちゃって、友達なんか恋人なんか?な関係だった事もある。
親友はそこらへん全部知ってるからクズ認定。
なんだかんだで出会ってからずっと仲良くしてる。
合流して、話題はうちの近況の話に。
「かおりの彼氏のクズっぷりがすごくてさぁ…」
もうネタになってるやん。
「えー!俺と勝負できるくらいクズやん」
って洋介、クズの自覚はあったんや。ちょっと笑える。
何だかんだでみんなで飲んで楽しかったな。
ずっと放置ってわけにもいかんから、今週末、頑張ってたくやに電話してみよう!
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