企画「真ハードSFの募集」参加への御礼
- ★★★ Excellent!!!
@Phantom Cat様
あらすじを拝読しました。 植物が人間に影響を与えるという導入部は、映画『ハプニング(The Happening)』を彷彿とさせ、一気に物語に引き込まれました。
本作は、マイクロバイオームやキラリティ、カオス理論といった科学的な概念を単なる設定としてではなく、物語の核心に巧みに組み込んだ、正真正銘の「ハードSF」だと感じました。理系的な知識が謎解きとリンクしていく過程は非常に読み応えがあります。
ただ、個人的に少し惜しいと感じた点が二つあります。 一つは終盤の恋愛パートです。世界を救うためとはいえ、二人の関係の進展がやや急で、どうしても「機能的(手段としての行為)」に見えてしまったのが勿体なく感じました。 もう一つは危機のスケール感です。惑星間の代理戦争という壮大な背景に対し、実際の事象や解決の舞台がやや限定的だったので、もう少し影響範囲が広がるような、より大きなスケールの展開も見てみたかったです。
とはいえ、知的好奇心を大いに刺激される素晴らしい作品に出会えて嬉しく思います。執筆お疲れ様でした。