圧倒的な存在感を放つ大商人・金蛇屋藤兵衛が、とにかく魅力的でした。下卑た笑い方や傲慢な態度の裏に、冷徹な知略と底知れぬ器の大きさが見え隠れします。商人、軍人、宗教家、それぞれの思惑が絡み合う会話劇も非常に濃密で、一気に世界へ引き込まれました。帝都ロンシャンの雑踏や空気感も生き生きとしていて、都市そのものが物語の一部として息づいています。この先、藤兵衛がどこまで世界を呑み込んでいくのか楽しみでなりません。