物語を彩る圧倒的な赤

式神・直刃と、炎の異能に悩む少女・未散が織り成す、戦国時代を舞台としたファンタジー作品です。
この作品を読むと、圧倒的なまでの赤が印象に残ります。作品内で何度も炸裂する血の赤、作品内で人々を脅かす人喰い虫を燃やす炎の赤。そして激しい熱を帯びているかのような直刃と未散の関係性も、色で例えるとするならば赤であると思います。圧倒的な赤! それぞれの赤から、においまで立ちのぼってきそうな重厚な描写も魅力です。
直刃視点と未散視点を交互に展開しながら進む物語を通し、二人は人喰い虫の謎に立ち向かってゆきます。全四十二話、濃厚な展開に満ち満ちた素晴らしい作品です。
是非読んでみてください。読後、あなたの脳裏にも、鮮烈な赤が焼きつくと思います。