紫月姉弟の誕生日記念
今日は紫月姉弟の誕生日。
でも、今日の主役の姿が見えない。
今日はいったいどこにいるのだろう。
部室の扉、ガチャ。
ここにはいない。
仕事部屋の扉、ガチャ。
ここにもいない。
地下の部屋の扉、ガチャ。
あら、ここも違う。
彼等の私室の扉、ガチャ。
あれ、ここにもいない。
いったいどこに居るのやら。
もしかして、あっちの方に居るのかな。
というわけで、扉、ガチャ。
静さん、今日、紫月姉弟ここ来ました?
え?きてないけどどうしたん?
此処にもいないっすか。失礼しました
いや、あの、ちょ。
バタン
此方じゃないか。じゃあ、あっちかな。
ある研究室の扉、ガチャ。
漆原さん、あいつ見てない?
見てないっすよ。どうかしたんすか?
今日ってあいつの誕生日だから、探してるんですけど、全然見つからなくて。
そっか。あ、これ、渡してくれないかな。
ニコッ
了解です。また何かあったらその時は宜しくお願いしますね。
ここにもいないのかぁ、ってなるとあっちの家ですか。
そうして鏡は山の中にひっそりと佇む一軒の家にやってきた。
コンコン
入りますね。
と、一声かけた後扉を開ける。
どーぞー。
鏡は目的地へと進んでいく。
そこには探していた二人がいた。
一つ言うなら、彼が彼女に寄りかかって眠っているのだ。
抑え目の声で鏡は言う。
探しましたよ。ここに居るだなんて珍しいですね。
珍しいでしょ。二人でゆっくりと話してたんだ。
で、彼は?
うん。私からの誕生日プレゼントってとこかな。最近忙しかったじゃん。だからゆっくりしてもらおうと思って。
なるほど、よく寝かしましたね。
もちろん!うちの手にかかればこうよ、こう。
そういって、デコピンのジェスチャーをする。
(あ、これ絶対無理やり意識落としたパターンじゃん。寝起きが怖いな。)
だから、もうちょっとだけこの顔を眺めさせて、お願い!
大丈夫ですよ、まだ時間はあるので。私も少し見てていいですか?
塩は✌️で答えた。
この後は皆に祝われて、プレゼントをもらうっていうありきたりな展開。
クリムゾンのプレゼントがブッ飛んでたり、
権三のは思いのほかガチだったり、
鏡はちゃんと実用的なお洒落な奴だったり。
きっと、未来ではこんなことが起きるのでしょう。
そんな日が来るといいですね、観測者の皆様。
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