「創作論」と銘打ちながら、技法の解説よりも「なぜ書くのか」という根っこの部分を掘り下げているのが特徴で、ラジオ・K氏の他の作品を読んだ後に読むと、世界観の裏側が見えてくる。
第1話では途中で突然「異世界ハーレムチートで金稼ぎが正義!」という駄文を意図的に挟んで読者を試し、「ブラバしなかった人ありがとう」と回収するくだりが面白い。「他人の人生に影響を与えること」が創作の動機だ、という結論は平易だが、このフリとオチを経て読むと妙に重みが出る。
まえがきに「なぜ作品にまえがきをつけるのか」を丁寧に説明するという、構造が自己言及的なのもラジオ・K氏らしい。ギルガメシュ叙事詩から手塚治虫まで引っ張り出して「完全にオリジナルなものはもう無理だ」と認めた上で「でも挑戦はタダだよね」と続けるスタンスが、この作者の作品全体を貫く姿勢そのものだと思う。
2話で止まっているのが惜しいが、ラジオ・K氏を読み解く補助線として最適な一作。