経血で染まった両手
- ★★★ Excellent!!!
序盤は体験してもいない青春時代を、まるで追体験するような内容で、キレイな部分も汚れた部分も全て見せつけられるような、そんな赤裸々な感情を覚えました。
そして後半になるに連れて、愛憎に塗れた話へと変貌していきます。
誰も悪意はないのに、どろどろとした悪意を孕んでいる。
歯車が狂ったのか、最初から狂っていた歯車だったのか。
血塗られた両手は、鮮血ではなく経血を浴びているかのよう。
過去と現在を行き来するストーリー展開、そして殺人事件の犯人は誰かというミステリー要素。
単なる愛憎に塗れた話ではなく、愛というものを中心に様々なものが展開し、気がついたら全て読み終わっていました。