第5話 聞いてないよ!!!

そんなこんなで旅行の日。

まなみちゃんが調べてくれて、高速バスにのって香川県に行ってからフェリーに乗って小豆島に行くらしい。

高速バスのチケット買えんかったらダメやからバス出発の2時間前に駅前に集合なんやけど、いつもの通りまなみちゃんが来ない。


とりあえず3人分のチケットをりさと買いに行った。

席は大丈夫で一安心。後はまなみちゃんが来るのを待つだけ。暇…

「タバコ吸いに行こ〜」


「あれ、やめてへんかった?禁煙やめたん?」


「だって、吉田くんと別れたしやめる理由なくなったやん」


「あー…どんまい」


吉田君はタバコ吸う女の子好きじゃなかったから辞めてたんやけど、辞める理由無くなったら手持ち無沙汰な時に吸ってしまう。


はぁ…まだ引きずってる。自分で吉田君って言うのが辛い。


バス出発のちょっと前くらいにようやくまなみちゃんがやってくる。

猫がどうとか言うてたけど、がっつりメイクやし、もっと早く来れるよね?

バスのチケット渡してバスに乗り込み香川県へ。


バスは休憩挟みながら行ったみたいやけど爆睡しててあっという間に到着。


「やったー、着いた!!海の匂いがする〜」

高松駅は海が近いみたいで降りてすぐに海の匂い。駅前はビルとかホテルとかもあって思ってたより都会。バス降りてりさとはしゃいでたら、まなみちゃんに話しかける男の人が来た。

「バス、お疲れ様。あそこにいるんが一緒に行く子」

と指差した先に男の人2人。


…は?誰?一緒に行く?


「えっと、よくわからんのやけど?」

まなみちゃんに小声で確認

「あれ?言ってなかった?この人バイト先の先輩で、あっちが先輩の友達。みんなで小豆島行くから今から合流」


はぁ〜!?そんなん聞いてないし、もう香川県まで来てるし行くしかないやん。

聞いてたらそんなめんどくさいの行きたくなかったし。

もう最悪…


こんにちは〜って軽く自己紹介。

たぶんすごい顔してた。まなみちゃんのばっちりメイクの訳はこれか…


まなみちゃんにイライラしながらみんなでフェリーに乗り込んだ。


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