世界に散らばった魔王の破片が復活しようとしている。それに応じて生まれてくる勇者。ただし、その勇者は、まだまだ幼かった。
その勇者を育てるために、彼らと行動をともにする、ある男の物語。彼は自身を勇者様の保護者であると標榜した。
勇者とその保護者のおっさんが、この世の平和を取り戻すため、魔族を退治する旅に出ます。ギャグ満載の会話と設定。そして、勇者一行のそれぞれが持つ、戦うための背景。
毎回おとずれる村は、どこもちょっと不思議な世界。主人公たちと旅をしているようで、楽しいです。
しかし、すごいポテンシャルを秘めた勇者はまだまだ子供で未熟。それを導くおっさんが保護者という図式。
たけど、子供たちは大人びているし、戦闘力も高い。一方保護者のおっさんは、ちょっと頼りなかったり、子供っぽかったり。でも、大事なところではきっちり決めてくれます。
ふだんはおっさんをバカにしている子供たちも、じつはちゃんと彼のことを頼りにしている。この関係性がいいです。
毎回のバトルも、無茶な力押しではなく、なにかしら勝つための仕掛けがあるのも楽しいポイント。
どんなピンチでも、ギャグを忘れない登場人物たちのハートも震えるほどビートです。
ストレス・フリーで、すらすらっと最後まで読んじゃいました。
遥か昔、世界には神と魔王がいた。
神は神界、魔王は魔界の主。両者は人間の住む平界を創造すると、神は平穏を、魔王は武力を司り、世界の均衡を保たせてきた。
だが、いまから五百年前。
魔王の腹心であった魔族七体が結託し、魔王を倒して強大な力を有し、神に戦いを挑んだ。神は人間の勇者と協力し、七体の魔族を封印。神は力を使い果たして眠りについてしまう。
統率者の魔王を失った魔族は、人間と神族を攻撃するようになってしまった。
そこに現れたのが勇者である。
神族と魔族が人間に対して過度な干渉を行ったときの自己防衛存在として、人でありながら神族や魔族に匹敵する能力を有する勇者が、魔族を退ける英雄として平和を守ってきたのだ……。
本作では、かつて勇者と共に魔王と戦ったジダイが勇者一行と出会うところから物語がはじまります。
キャラクター同士のボケとツッコミは面白い。
どんでん返しもあって、各章ごとに笑えます。