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王と修道士

王と修道士

磯崎愛

おすすめレビュー

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★★★
★10
4人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 宮田秩早
    271件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    伽藍に安らう魂

     「良き君主」とはなんだろうか。
     おそらくは自分に正直では「良き君主」にはなれないだろう。
     ルイ六世の父親は、自身の好悪に正直であったが故に、失意のなかで亡くなっている。
     生涯を虚像のなかに身を置いて生きることが「良き君主」の条件のひとつならば、「本当の彼」の安息の地は、菩提寺にしかないだろう。

     世俗と、聖界。
     ふたつの世界を「『フランス』を形作るために」巧みに束ね、虚像のなかに生きた王。それが可能だったのは、たとえみずからが虚像に生きたとしても、自身の「真実」を知っている者があればこそだろう。

     その名を刻んだ伽藍で、「かくあるべき」自分から解き放たれて眠る魂。
     彼らの抱えた秘密を軸として、紡ぎ出された物語。

     ルイ六世が非常にチャーミングに描かれていて、良いお話です。

    • 2023年4月5日 11:37