ダンジョン最奥2
扉を開けて中に入ると中は広い円形状の部屋だった。
孤児院が3個くらいは軽く入るだろう広さだ。
真ん中にはでかい魔物がいる。
「これってもしかして魔物倒さないと出られないパターンかな?」
「ぴぎゃー!!」
ニースがかなり巨大な魔物…暗くて何の魔物かはわからない
に鳴き声を上げながらとびかかっていった。
「お、おい!ニース逃げろ!!」
『我が眠りを妨げる愚か者がまた来たか。』
そういって起き上がったのはめちゃくちゃ大きな真っ黒の蛇だった。
『我は眠りの妨害をされるのが一番嫌いなんだ。
今すぐここから去れ!さもなくば命はない』
(やばい!早く逃げないと!
ニース戻ってきてくれ!)
そう思いながらも話しかけてきた魔物に
「決して邪魔しようとしたわけじゃないんです!!
どうか助けてください!」
今出せる最大の声で呼びかけた。
「ぴっ!?
ぴぎゃぎゃーぴー」
ニースが何か訴えかけるようにこっちに戻ってきたけど
今はそれどころじゃない。
俺はニースを抱っこして抜け出せないようにしながら魔物に話しかけ続ける。
「俺たちはここから出たいだけなんです。
あなたに敵対したり邪魔したりするつもりは一切ありません!」
『ふんっ
人間のいう事なぞ信じられるか。』
魔物はそう言いながらこちらに向かって進んできた。
大きい魔物だけあって一歩こちらに向かってくるだけで
一気に距離が近づいてきて魔物の姿が見られるようになってきた。
「ほ、本当なんです!
仲間に裏切られてダンジョン内で落とされてダンジョンから
脱出したくてさまよっているだけなんです。」
魔物はドラゴンだった。
おとぎ話や勇者譚でしか聞いたことも無い魔物だけど
聞いた話と似てる特徴。
間違いなくドラゴンだろう。
『ほう、ここにたまたまたどり着いたというのか?』
「はい、そうなんです!
だからどうか助けてください。」
せっかくニースと出会えて、食事も何とかなって
これから二人で楽しく生きて居ようとしてるんだ。
どれだけみっともなくても絶対に生き延びてやる。
そのためならどんなことでもしてやる!
『ふむ。
おぬしの話に嘘はないようだな。
そこの魔物は先ほど我に向かって喧嘩を売ってきたのは
どういうことか?』
!?!?!?
ニースが喧嘩を売った!?
「ニース喧嘩売ったってどういうことだ!?」
「ぴぴぎゃぎゃ!ぴぎゃ!」
こいつが居なかったらここから出れるから倒そうとした。
そう言ってる気がした。
「確かにこのドラゴンが居なかった出れるかもしれないけど
だからっていきなり喧嘩売るのはダメだろ!
ちゃんと謝んないと二人とも殺されちゃうぞ!」
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