03
【すみませんすみません、ホンっ、とにすみません~~~~っ】
ぺこぺこ平謝りをする神。
けれどどうにも信用できず、できるなら謝る声ですら耳に入れたくなかった。
燃え盛る業火のように、彼に対する憎悪が湧き出してくる。
「アンタねえ、それホントに悪いと思ってんの? で、わざわざこんな所に呼び出したからには何か用があるんでしょ?」
《やはり、そなたは
「わからいでか!!」
《……実は、もう1つそなたに謝罪しなければならぬ事があってだな…》
「ちょっとー、次はなに。一体、どうしたってのさ…」
もう怒るまい。怒るだけ、労力の無駄である。
どうせ、コイツはこんなヤツだ。
リサは、怒りを呑んでまだ地面に這いつくばっている神に訊ねた。
「ねえってば。黙ってないで、何か言いなさいよ」
鼻水を垂らして蒼くなっている神は正直見るに耐えないので、さっさと要件を言うように促してみる。
けれど、彼の口から出たのはまたもや問題発言であった。
《そ、その…そなたをこの世界に固定する時に外力が働いて、そなた自身の身体をこの世界に適応した姿に修正してしまったようなのだ》
外力と言うのはつまり、この世界の『流れ』のようなもので、その『流れ』に逆らうモノを世界に調和するように修正してしまう力のことらしい。
「だから、なんだっていうのよ? 身体になにか害でもあるワケ?」
《害ではない。そうだな…手っ取り早い方法は…髪を確かめてみるといい》
「髪? なにが…ああっ!?」
リサは、一房つまんだ髪の色を見て愕然と言葉を失った。
お尻の下まである自慢の黒髪が――――みごとな金髪になっていた。
《後ろに鏡台がある。鏡で顔を見てごらん、顔立ちも変わっているだろう?》
総毛立ったまま、促された通りに鏡台に目を遣ると…そこには金の長い髪と、紫水晶色の目を持つ別人が驚愕を浮かべてこちらを見つめていた。
「な、なにこれ…っ、私の顔は!? 純日本人の顔はどこ行ったの!?」
はっきり言おう。
そこに映ったのは、想像していた自分の面影は全く見当たらない別人だった。
長い睫毛に、宝石のような鮮やかな紫色の
思い切り西洋人チックな顔になって混乱するリサに、神は更なる絶望という名の追い打ちをかけた。
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