誰にも言えない

@naosasaki

第1話 私は・・・

私は61歳、息子ふたり娘ふたりはみんな家庭を持ち、何不自由なく暮らしている。

あわせて6人いる孫たちもとても私に懐いていて、いつも癒されている。

現在は広々としたマンションでひとりで暮らしだけれど、近くに住む孫たちが、

よく泊まりに来て割と忙しいし、ありがたいことに全く寂しくない。

つい何日か前も小学生の孫たち三人を連れ、最近納車したばかりのベンツのSUVで遊園地に行ってきたばかり。開園時間から蛍の光が園内に流れるまで遊んでも、まだ遊び足りない・・・。私にとっても、とても楽しい一日だった。

そんな最近の日常は、一見平凡な年相応の私、子供たちは4人ともきちんとした仕事を持ち安定した収入を得て、それぞれに温かい家庭を持っている。

何の心配ごともなく、毎日のんびり暮らしている。何故私は今、こんな優雅で幸せな暮らしをしているのか、どうやってここまで生きてきたのか?

一言でいうと、こんな生活を送るために普通の女、妻、母、祖母でありながら、陰では人には言えないような色んな事を、言い方は間違っているかもしれないけれど、両立させてきた、結果なのである。

そんな私の人生についての話を書こうと思っているけれど、いろんなことがありすぎて、思い出そうとすると自分でも気が遠くなりそうになる。だからこそ今、時間にも余裕があり自分の生きてきた長い道のりを振り返る時間も出来て、書き残しておこうと思い立った。誰にも言えない私の普通ではなかった人生を、誰かに知っていてほしいという願望なのかも知れない。長い話になるけれど、少しずつ思い出しながら書いていこうと思っている。




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