2024/11/26

 大人の男の人や女の人が真夜中にどこかの駐車場で話していた。


 真っ暗な夜。


 仕事かなにかでそこに合流すると、空一面に天の川が見えた。


 キラキラ光る白い星に、色のついた水をまいて色をつけたかのような模様の鮮やかな星雲。


 銀河を見ているような気分になりながら、急いでスマホを取り出して写真を撮ったけれど、撮れたのはぶれている写真と光る星だけの写真だった。


 場所を変えて撮り直そうとすると、空の端が明るくなって、見えていた天の川も星雲もなにも見えなくなってしまった。


 周りにいた仕事の関係者たちは、冷たく笑いながら散っていった。


 私は星空を残念に思いながら、川沿いにあるうねった道を歩いていた。


 川の向こうではせわしなく車が走っている。


 頭の中で母の声が聞こえてきた。


 まるで、通話でもしているかのような聞こえ方だった。


 母が車の走っているあちら側の道路を車で走っているのもわかった。


 疲れたら乗せてくで。


 大丈夫だと答え、もくもくと歩いていると目が覚めた。


 目が覚めてからも印象に残るくらい綺麗な星空だった。

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