140字小説──Twitter掌編集──

山岸マロニィ

ブラックコーヒーとシュガートースト

 珈琲に角砂糖を落とすと、君は嫌そうな顔をする。

「よくそんな甘いものが飲めるな」

 蔑んだ目に私はこう返す。

「よくそんな苦いものが飲めるわね」

 ブラックコーヒーとシュガートースト。口に入れば一緒なのに。

 男と女。

 だから分かり合えないんじゃない。

 私と君だから分かり合えない。


 でも、それでいい。

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