誰の身にも起こり得る「日常の崩壊」を、作者様の実感を伴う筆致で克明に描いた一作です。
健康であるうちは、どうしても病気や事故を「どこか遠い世界の出来事」のように感じてしまいがちです。しかし本作は、突然の宣告に対する焦燥感、周囲からかけられる言葉への複雑な反応、そしてそこから見出す一筋の光を、綺麗事だけではないリアルな感情として届けてくれます。
揺れ動く心情の描写が非常に丁寧で、読者は物語を通じて、今ある平穏な日々の尊さを改めて噛み締めることになるでしょう。
「自分は大丈夫」と思っている人にこそ、ぜひ手に取ってほしい。暗闇の中でも、明けない夜はないと勇気をもらえる作品です。