あまりにも自然な流れに、序盤から引き込まれます。主人公・佐藤の下をいつ何時でも訪れるヒロイン・小倉の関係性は、単なる恋愛感情を想起させるだけでなく、適度なバランスの下に描かれます。要はバランスがいいのです。

そこにいろんな関係者（友人知人の方々）が絶妙なスパイスとなって、これまたスパイスとなる出来事を引き起こします。このあたりに関しても、エンタメ性の高さが垣間見えることでしょう。

惜しい点があるとすれば、もっと思いっきり騒いでいてもいいのでは？　というところですね。登場人物の魅力がストーリーや設定と巧みに関与しあっていますが、せっかくの恋愛ですし、もう少しシリアスな場面があってもいいのかも？　と。

いずれにせよ、非常に楽しむことのできる『立派かつ親切なエンタメ』として背中を押したい所存です。