子どもの頃のこと、ご家族のこと、巫女のバイトのこと、歌舞伎のこと、悪夢のこと、思い出の本のこと……どんな話題をあつかってもたちまち読者を引きこんでしまう名エッセイです。
上質のユーモアにあふれ、筆者様の並外れた知性と教養と洞察力がにじみ出ています。
紹介されている本はどれも読んでみたくなりますし、歌舞伎も観てみたくなりますし、創作において意識されているとおっしゃることは自分でも実践したくなります(できるかはともかく……)。
また、こんなことを言うのはおこがましいかもしれないのですが、ものの考え方が合うと感じさせられることばかりで、自分が日頃ぽけーっと思っていることを明晰なことばにしていただける感動に打ち震えました。
鐘古こよみ様のファンなら必読であり、初めてこちらを読んだら鐘古様の小説も読まずにはいられない、鐘古様のファンにならずにはいられないという作品です!