○○【アーク視点】
「いち早くボスを倒したぁぁぁあい!」
ボクの名前はアーク、女だ、システムの不都合でなぜか男にされてしまった女だ。
仲間にはあぁ~って顔をされた…胸を見ながら。
許さん!明日はランニングに付き合ってもーらおーっと。
「あと一人いない状態で挑むのはキツいって、アークが自分で言ったんじゃない」
「でもさマリナー!明日にはやられちゃうよー!絶対やられちゃうよー!」
ボク達が一番のりで見つけた所を配信してたお陰で明日まで待って!ってお願いを聴いて貰えたから今日は大丈夫だと思うけどさぁ!
そして、でもさーでもさーを連呼してたらマリナはすっごい良いアイディアをくれる!
ボクには分かる!
「あぁ~もう!うるさい!そんなに倒したいなら野良で森に行ける人を探せば良いじゃない!」
それだ!
「それだ!」
「え?冗談よね?今ソロで森に行ってる人なんて居ないわよ?」
マリナは回りを見て助けを求めるが他の仲間たちは目を背ける。
「え?あんた達、本当に?」
「さぁ皆!門の前に行こうか!」
即断即決!ボク達は飲食店からでて森に続くゲートへ行く、そしていた!ソロで森からでてきた人を!
「…本当にいた」
マリナ達は本当に驚いていた、ボクもまぁ、少しは驚いたけれども!
さぁ!他の人に取られる前に話しかけないと!
の前に、配信を付けて少しでも確率を上げないと!
仲間から呆れの視線が飛んできてるけどしょうがないじゃん!ボク達が一番乗りできそうな希望をやっと見つけたんだから!
さぁ、配信開始ー!
「やぁ皆こんにちは、アークだ」
・アークちゃんさんおはよう
・今回はどれだけ皮が持つかなぁ((o(^∇^)o))ワクワク
・あれ?今さっき配信終わんなかったっけ?
とりあえず最初の配信で優男を演じたら即行仲間に指摘されてバレた、その時意地になって否定しまくったら引くに引けない状況になっちゃった☆
くっそぉ!覚えてろよみんな!
そんなこと今はさておき、話しかけに行こー!
「ちょっといいかい?」
ボクが話しかけると彼は周りを見て、道の端っこに退きながら言う。
「かたじけない、門の前に人が居ると通りずらいでござるな」
それもそうなんだけど!ちがーう!
「あぁ~、それもあるけれど…君、僕のパーティーに入らないかい?森から出てきたと言う事は僕らとレベルは同じ位だろう?」
彼はボク達を品定めしているようだ、だがボクのパーティーは精鋭揃い!きっと満点さ!
・俺のマリアちゃんに色目使いやがったこいつ!
・俺のアークちゃんに色目使いやがったこいつ!
・ただ観察してるだけだろ黙ってろ色ボケども
「一つお聞きするでござる、わざわざ固定のパーティーに余所者を入れてまでしたいこととはなんでござるか?」
ふむ、いれる利点なら直ぐ言えるんだけどしたいことなるとボクが独断で話すのは無理なんだよなぁ。
「ははは、かなり痛いところを突くね、君は。
ちょっとこっちで相談してくるから少し待っててくれないかな?」
そう断ってボクは仲間の元へ向かう。
「パーティーに余所者を入れてまでしたいことは何かって聴かれちゃってさー、言っても良い?」
「アークが決めるなら私は良いわよ」
「俺は同意見」
「私も同意見です」
「オレもそれで良いぜ!」
仲間の信頼が厚くて、僕の顔がリンゴになっちゃうよぉ。
さて!ボクはしっかり考えて話すかどうか決めようか!
…少し考えた結果!直感を信じる!
・話し合い(笑)定期
・今の時間なんだったんだ?
・無駄な時間待たされた相手かわいそ
「待たせてすまなかったね、君の質問に対して僕たちは話すことにしたよ。
…実はエリアボスを発見したんだ、だけど隠しボスが倒されたように何時倒されるか分からない、だから今日中に倒しちゃいたいんだ」
「……その提案、受けさせてもらうでござる」
彼は承諾してくれた、ボクはやったー!って言う意を込めて仲間達にピースサインを送った。
ボクのピースサインに気付いた仲間達はこちらに近付いてくる。
・新キャラ参戦!
・アークパーティーに突いてこれるかねぇ?
・ついてこれないに一票!
「拙者はヨソク、しがない盗賊でござる」
彼はヨソクと言うらしい、多分強い、僕の直感がそういってる!
「あぁ、自己紹介が遅れたね。僕はアーク、騎士だ」
とってもかわいい完璧美人な女の子さ!
「私は魔法使いのマリナよ、別にあんたが居なくても私達は勝てるんだから!」
ツンもかわいいデレもかわいい女の子!
「俺はテツ、戦士だ、宜しく頼む」
ガチムチが大好きなちょっと変わった男の子!
「私も魔法使いのアオイです、宜しくお願いします」
大和撫子で清楚で美人な女の子!
「そして、オレが格闘家のテトだ!俺が全部やるから安心しろ!」
現実でもかなり強い!一度も負けたところを見たことがない位に頑丈な女の子!
「さぁ、自己紹介も終えたし、ボス討伐に行こうか!」
心機一転!この新!アークパーティーをご笑覧あれ!
「おおー!とその前に、一つお聞きしたい、そのプカプカ浮いてる奴はなんでござるか?」
「…え?」
まさかヨソク君、配信を知らない?ってことは配信してるから無理って可能性も…
「しっかり見なさい、彼、NPCよ」
え?…本当だ、よかったー!配信を毛嫌いしてるとかじゃなくて!
「これは配信機材!と言っても分からないよね、うぅ~ん、映像を送る装置だよ!」
・配信知らない人に配信機材草
・それじゃあわからんだろwww
・首をかしげるに一票
ヨソク君はなるほど、と頷いていた、よかったー!この世界にもカメラはあるみたい!
・なんでわかるんだよ
・こっちにも映画とかあんのかね?
・それって普通にただのカメラって認識じゃねぇの?
さあ!説明も終わったし、ボス討伐にいこー!
______________________
【始まりの街エルン▷▷▷東の森】
「ヨソク様、先程この森から出てきたばかりだと言うのに、二度も出向かせてしまい申し訳ございません」
森のなかを歩いているとアオイがヨソク君に謝っていた!流石アオイ!気遣い上手だ!
「そのようなことを心配して下さっていたのでござるか、その件に関しては大丈夫でござるよ。
拙者もここ最近現れたと言う物の怪どもが気になってござったからな!逆にこちらから感謝したいくらいでござる」
・ここ最近?あれ?
・どゆこと?
・たしかアークの配信だと…
ここ最近現れた?ボスモンスターが?ボク達はこのボスについて情報を聞く時、ずっと前から街道に居座ってるモンスターがいるって聞いたんだけど…
「ちょっと待ちなさい、私達はずっと前から街道に居座ってるモンスターって聴いてたんだけど、ここ最近現れた物の怪ってなに?」
流石マリナ!ボクが聴きたいことをズバッと聴いてくれる!頼りになるぅ!
「ずっと居座ってる、でござるか…
失敬、拙者の勘違いだったみたいでござる」
ヨソク君は勘違いと言っているが、その言葉とは裏腹に、ボス部屋の前に移動しても心ここにあらずと言った風だった。
・勘違い(思考中)
・明らかに勘違いじゃなくて草
・さっきからずっと考えてるなこいつ
「おい!なにクヨクヨしてんだよ!男ならどっしりしとけ!」
流石テト!話しかけにくい状況でも物怖じせず話しかけてくれる!正直助かったよ!
「あぁ、もうボスでござるか、声掛け感謝でござる」
いやまぁこの道中、一度も敵にあわなかったし、会わなかったのにレベルは上がってるし!ヨソク君がなにかやってたんだろうなぁ、ってのは多分皆も分かってるから良いんだけどね!一人以外は!
「ったくよぉ!獲物を全部狩りやがって!少しはオレらの分も残しやがれってんだ!なぁ?」
「いや、俺は早く帰ってプロレスをみたいから助かっている」
・この兄弟てぇてぇ
・どこにてぇてぇが…
・どうやって敵倒してんだよまじで
相変わらずだねぇ二人とも…そろそろボスと戦いたいんだけどなぁ。
「さて皆!今からボス戦だよ!道中の消耗もヨソク君のお陰で少ない!勝つよ!」
「「「「「応!」」」」」
そしてボク達はボス戦に向かっていく、森の推奨レベルは15、ボクらは18!楽勝だね!
そうして前へ進んでいくとボスが現れる。
「『鑑定』!」
______________
ゴブリンキング Lv25
【種族】 亜人
HP 10000
MP 600
STR 47
VIT 51
INT 32
MND 24
DEX 16
AGI 32
【説明】
ゴブリンの王、単体だと弱いが、味方を鼓舞して強化する。
__________________
単体だと弱いがって!単体でもくっそ強そうなんですけどぉ!森の推奨レベルって15なんだよねぇ!推奨レベル詐欺にも程があるでしょ!
「ゴブリンキングは味方を強化出来るらしい!多分何らかの条件で雑魚を呼び出してくるから要注意!」
・ゴブリンキング?
・βではゴブリンチャンプだったよな?
・敵強化キタ━(゚∀゚)━!
僕とテツが前衛に立つとアオイがバフをかけてくれる。
「サンキュー!アオイ!」
それを認識したらしいゴブリンキングはアオイに向かってボクらの真上を跳んでいった。
え、跳ぶの?はやい…まにあわない!
やばい、油断してた、フルダイブだって所詮ゲームだって。
満身してた、何があっても僕ならなんとか出来るって。
テトも慌ててアオイを守ろうとしているけど…
駄目だ、間に合わない。
…なぜだろう、ボスがアオイの元までひとっ飛びの僅かな一瞬のはずなのに、長く感じる。
自分含めた全てがまるでスロー再生のように遅く動く。
そんな世界をラッキーと思い、僕は何か無いか必死で探す、そして一つのコメントを見てしまった。
『これお仕置き?』
僕はその言葉がストンと胸のなかに落ちていった。
確かに、推奨レベルに満たしているのに間に合う気がしない、そんなのお仕置き行動と納得するしかないじゃないか。
そうして轟音がなり響く、後悔だけを抱えたまま、前を向くとゴブリンキングが倒れていた。
・は?
・空中撃墜www
・スキル?それスキル!?
目の前の状況が信じられなくて、ボクは確認のために横目でテツを見てみる、すると口をあんぐり開けていた。
いや、テツだけじゃない、その横に立っている人、ヨソク君以外の全員が思わず口を開けて驚いていた。
「こやつは直ぐ立ちなおる!今がチャンスでござるよ!」
その言葉にボクらはハッとして、慌ててゴブリンキングに攻撃を仕掛ける。
そうして僕らが何発か殴った後、ヨソク君が声を上げる。
「そろそろ起き上がる故!一旦離れるでござる!」
…すごい、ヨソク君の言った通り、ゴブリンキングが起き上がった。
ヨソク君も初見なんだよね?何で起き上がるタイミングなんて分かったんだろう?
そこからは順調だった、僕らがやばそうになった時、ヨソク君は的確なフォローをしてくれる。
ボスのHPが4割切って、取り巻きを呼び出してきた、そんな時でも彼は的確なフォローをしてくれた。
それは勿論僕にだけじゃない、マリナやテツ、アオイやテトへのフォローを全部一人でやってくれてる、結構自信なくすなぁ。
正直、ボク達のレベルは彼より高いと思ってた、力量も同等以上にあるって。
けど違うみたい、ボクって才能が無いのかもなぁ。
「いや、アーク殿は強くなる。
ボスの最初の攻撃時、アーク殿は何か仲間を救う方法は無いかと脳をフル回転させ探してござった、その年であれを出来る者はそうそうござらぬ。
お主はこれから更に強くなるでござるよ、アーク殿」
…彼の、ヨソクさんのフォローは完璧だ。
今、彼の力量に押し潰されそうになって、彼の言葉に救われた。
完璧すぎて自作自演じゃないかって位だよ、本当に。
「して最後の一撃、頼むでござるよ、リーダー」
ボクは彼に追い付きたい、でも…僕は彼に追い付けない───
見ててわかる、ボクと彼の力量は努力で埋めれるようなものじゃない。
でも!皆の瞳をみれば分かる、皆も彼に鼓舞され僕と同じ気持ちになってるって!
なら大丈夫、個で追い付けなくてもチームで追い付けば良い!
だから君に追い付く者の!ボクの、ボク達の!今の全力を──
「見ろぉぉぉぉぉぉお!」
ボクの攻撃はボスの体力を0にした。
「アーク殿、ナイスでござる」
…ボクはちょろいらしい、彼の一声だけで自然と嬉しくなっているのだから。
ボクは皆の目を見て、剣を上に持ち上げる。
「ボク達の勝ちだぁぁぁぁぁあ!」
「「「「「おぉぉぉぉぉ!」」」」」
そうして彼と一緒に第二の町まで行き、別れる。第一の町に戻るそうだ、なんか用事が出来たとかなんとか。
「それじゃあ配信はここまで!それじゃあまたねー!」
・最初の演技はどこ行った
・今日は濃かった!
・今日もじゃねぇの?
そうしてボクは配信を切る。
「ねぇ皆、ボクは彼に追い付きたい、皆は?」
ボクは仲間達の目を見て問いかける。
と言っても問いかけるまでもなかったみたいだけど。
「当たり前じゃない!あんなすごいもの見せられて、色々フォローされて、最っ高に屈辱だわ!
何時か追い付いて、驚かせてやるんだから!」
「どれだけ強かろうが個だ、勝てない通りは無い」
「えぇ、私、今回は活躍できませんでしたし、もっと色々学び、ヨソク様に頼りにしていただきましょう!」
「はっ!追い付くどころか追い抜いてぶっ倒してやるよ!オレのこの熱を拳にして叩き込んでやる!」
ヨソクさん、ボクらは君に毒されちゃったみたい、こんな出会って数時間なのにおかしいかな?
僕はこの世界に来て、初めての感情を抱かされちゃったよ。
やっと分かったんだ、強い人に追い付きたい、そんな感情の集合がこの気持ち。
だから、これはそう呼ぶのだろう──
"憧れ"ってね!
______________________
○○改めタイトル名『憧れ』
一つのパーティーが一人に対し追い付きたい!追い越したい!と言う感情を持つ!
とても好きな展開です。
ですが、本当に残念なことに個ではヨソクに勝つことは不可能!でも仲間と一緒なら行ける!そう信じ行動する彼女たちをこれからも応援して下さいませ!
それではこの小説の見にくかった場所等あれば教えてくれると幸いです。
また次の回で会いましょう、これからもこの作品を宜しくお願い致します。
似非でも忍者は忍者になりたい(【旧題】天才忍者のVRMMOから始まる物語) Pgu @Pgu
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