第49話 国の面子を保つため2027年までのお飾り秀欣平

 秀欣平の権力に明らかな剝され、体制崩壊が進んでいる。国内の経済減速や若年層を中心とした失業者の増加、地方債務の悪化、国際社会からの孤立など、台湾有事でしか自己の存在を示せなくなってきている。独裁指導から集団指導体制への移行が確実視されている。軍や報道機関が独裁を無視する動きが見られ始めたことが、秀欣平の裁量効果が無くなってきていることを示している。

 秀欣平は、四つの勢力に脅かされている。①温家宝・朱鎔基、李瑞環などの長老たちが秀欣平を堂々と批判している点。②海外に暮らす財界ネットワークを駆使して強酸党高官の師弟である太子党の人たちの中の利益に損失を被らされた紅二代派系による秀欣平に不都合な情報発信。③秀欣平の部下である魏鳳輪や李招復が解任され、張遊侠が軍を仕切っている事。単独で政変を起こすほどではないが壁であることには変わりない。④社会の不満が集団抗議として目立ち始めた点。

 面子社会の中酷では国内の混乱を見せたくないから、2027年まで、西太后のように首だけ残して手足を捥がれる状態に置かれるのは、間違いないだろう。国の代表として表に出ても決定権はないお飾りの主席となる。

 中強の外交官が露西亜に亡命した。そこには、露西亜が政権崩壊した場合、中強は寝返り露西亜を攻撃する準備があるという情報をプチンに流し、プチンの怒りを買っている。表面上の仲良しは裏では、寝首を刈る危険な関係であることが明かされた亡命だった。プチンはこの外交官を中酷に引き渡した。これによって、中強との絆を見せかけでも太くしたことになる。

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