第36話 雇用が、御用。
御用とは、身分の高い人の用事や頼み事。日本では江戸時代、提灯や六尺棒などを手にした男たちが、犯罪の容疑者のもとへ押し寄せて口々に「御用、御用」と叫ぶ。丁寧語の「御」がついているからといって、彼らは容疑者を敬っているわけではなく、「御奉行様から用事を申しつけられておまえのとこに来た」ということだ。またこの「用」はなまやさしいものではなく、「おまえを逮捕する」ということだ。
中酷強酸党のお偉いさんは、「お金がないなら火鍋は食べるな」と貧乏人を一喝する。ここでいう貧乏人とは、普通に地道に働いている者を指す。強酸党のお偉いさんは、派手に遊んだりせず、仕事が終わったら家に帰って、食事してまた仕事に行く。それが人民の行動だと言い放つ。
中酷自慢の上海ですら経済が崩壊寸前。外資は300社以上が撤退。失業者は数百万人。中酷では、35歳以上の人間は不要で、求人募集も35歳未満限定で求人は全滅。仕事を求めても求人そのものがない。求人広告があっても運よく面接に漕ぎ着けても担当者の暇つぶしでまともな面談もなく、茶化して終わり。応募者は時間と交通費を無駄にするだけの浪費の温床に。
レストラン、スーパーマーケット、フードコートが閉店。ゴーストタウンだ。強酸党のお偉いさんが言う派手に遊んだりせず、仕事が終わったら家に帰って、食事してまた仕事に行くも、仕事がなく金もないから飯も食えないでは、火鍋に行けるはずもない。仕事に合つけたり維持していても月給は下がりに下がって、六万円程度。なのに物価は上がっている。上海の家賃は10㎡の部屋で48,000円。フードデリバリー業界は増加中。失業者が殺到し、出来高制なのに単価は駄々下がり。労働時間は増しましの労働地獄。日本では、生活保護を受けながら鰻が食べたいから保護費を上げろとと訴える能天気さ。中酷人の爪の垢でも煎じて飲んでもらいたいものだ。
日本では結婚はしたければ出来るだろうが、中酷では贅沢なこと。男性対象に結納金が搾取される詐欺もバンバン発生中。三十を過ぎた成功した女性は、金をやるから結婚して言う始末。同等の男性は既婚者が多く、結局、収入のない風習ばかり重んじる頭の固い農村出身者が家族の面倒も見ろと言う結末。
中酷の中産階級の衰退は深刻化が増している。朝、出社して昼飯を食ってけると解雇なんて珍しくない。会社がなくなっていたというケースもある。経営者は資金を持ち逃げしトンズラー。こんな状況だから、ちょっと一息に300円コーヒーなんて贅沢で喫茶店も潰れて当然。デリバリーを頼める者とデリバリーで働かざるを得ない者のように収入格差はどんどん広がっている。デリバリーを頼める者は、強酸党とズブズブか辛うじて残っている外資系企業の者。
学歴社会にあって学歴何て強酸党員のお偉いさんと関係がなければ全く意味がなく、評価の対象にもならない。
労働者に金がないから消費が回らない。倒産ラッシュは極めて当たり前。今は車の渋滞が懐かしい状態だ。
強酸党の政策に経済問題解決の手段は皆無だ。強酸党のお偉いさんが「これをやるぞ~」と声を上げると、人民は職を失い、路頭に迷う。公務員でさへ無償労働か減給、はたまた借金して政府に貸せと強制される始末。これでは、雇用も絵にかいた餅に縋りつくようなものだ。
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