第26話 急募、刑務官8万人

 大卒者の就職率が超低迷中。賢い中国は考えました。犯罪が増加している。はっきり言わないが何となく共産党批判が根強くある感じ。ならば、犯罪者予備軍を断つ。犯罪を犯す前に捕まえれば犯罪は起こらない。逮捕者・拘束者が増えれば、それを監視する刑務官が必要だ。その刑務官に大卒者をあてがおう。犯罪防止と就職率アップの一石二鳥の一丁上がり。なぜ、大学卒だけなんだ。それは、強酸党の指導に不満を持ち暴動の結集者に成り兼ねないからだ。単なる労働者に政府への不満をぶちまけることなど出来ない。精々、自分より弱い者を傷つけるのが関の山だからだ。

 中国の犯罪人の数が半端なく増えている。お陰で刑務所は満杯で収容しきれず、新たに作る必要にまで迫られている。強酸党は教養のない者が犯罪を犯すと考えている。国の毒や足手まといになっても国益には繋がらない。北朝鮮のように国民を露西亜に売り飛ばすこともできない。貧しい者の強酸党への不満がいつ暴動として起こるかも知れない危惧は拭えないでいた。実際、共産党高官が狙われ襲われる事件も増え始めている。それだけではない。公安が小学生をむかついたからと殴る事件も非日常ではない。不満分子が人民に蓄積されている。一級都市でさへ閑古鳥が鳴く。立ち直る兆しも全くない。

 強酸党は暴徒・犯罪者予備軍に手を焼いていた。そこで強酸党は日本側に中国人ビザ免除を要求してきた。知的レベルの高い中国人は国内から出さず、犯罪者予備軍を日本に押し付けに来た。観光ビザで入国すれば後は日本国内の邦人・中国人の協力を得て不法滞在させ、日本に馴染ませる。入国審査にJESTAが導入される前に送り込みたい。そのために日本の議員を引き込もうと画策したが上手くいかず、舛添要一と接触するのが精一杯だった。

 精密機械製造のリコーが中国からタイに逃げた。トランプ効果だ。米国ではテキサス州が中国への投資停止命令が出され、他州も追随する可能性が高い。益々、中国経済は冷え上がる。

 中国は、犯罪者予備軍を徹底的に抑え込もうと躍起になっている。「八失人員」や「三低三少」と呼ばれる者が対象だ。「八失人員」は投資に失敗した人、生活の楽しみを失った人、恋愛に失敗した人、人間関係に失敗した人、精神状態が良くない人、精神的な病を抱えた人、そして保護者を失った若者のことだ。「三低三少」は、経済的な収入が低い人、権利や地位が低い人、社会的な名声が低い人、社会とのかかわりが少ない人、機会にに恵まれない人、そして悩みを打ち明ける機会が少ない人を指す。強酸党はこのような人々が犯罪を起こす潜在的な要因を備えていると、内偵するように強酸党下級幹部に指示を出している。ついに人民は強酸党の肥しであるという理念を実践に移さなければならい程、中国の国内は病んでいる。

 

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