第4話 銀行倒産。加速する統廃合
地方銀行大手の江西銀行が倒産した。本店前には、預金者が殺到し、「金を返せ」と抗議したが、警察によって逮捕されていく。中酷農業銀行の長春本店が閉鎖された。中酷の中小・地方銀行は薄氷の上に立たされている。いつ崩壊するか分からない状態にある。当然のように取次騒ぎは起こるが、銀行は対応せず、いや出来ず、店舗閉鎖して音信不通を貫き通す。預金者の金はびた一文返ってこない。これは悪夢ではなく現実だ。たった一週間で40もの中小銀行が消えた。そのほとんどが大手銀行に吸収されたり、倒産したものだ。これは氷山の一角で中酷金融安定報告2023によれば337店舗が倒産の危機に直面していると記されている。主に東北三省(黒龍江省、吉林省、遼寧省)と甘粛省、内蒙古省、山西省などの地域にある中小企銀行が会社のリスクを適切にコントロールするための内部統制リスクやコンプライアンス違反のリスクに加え、リスク耐性の低さ、資産の質の悪さがあり、経営状況の不安定さを露呈した。勿論、その最大な原因は不動産企業の大口取引先の破綻だ。
2019年以降中酷では多くの中規模銀行が倒産し、投資管理会社や国有金融企業が倒産していた。ネガティブな情報は人民に直接係るものでも一切報じない。いや、何事もないように振舞い、大丈夫だと根拠のないデマを流し、やり過ごしてきたのが現状だ。特に農村部の銀行では深刻だ。小規模銀行が約3800行あり総資産規模は55兆元(約1180兆円)で銀行システムの13%を占めている。目立った産業がない中、監理も行き届かないまま長期に渡って不動産開発業者や地方政府に多額の融資を行い、不良債権化させている。
2022年河南省の四つの村鎮銀行が被害額400億元(約8000億円)の詐欺に巻き込まれ、約40万人の預金者が貯金を失った。その詐欺は、預金者が河南村鎮銀行の高金利預金商品を購入したが、後に販売が停止されたにも関わらず、SNSや村鎮銀行の自社チャンネルで販売が続けられた。この商品は、銀行幹部と株主が結託し、中酷銀行保険監督管理委員会の規定に沿った偽システムを構築して、本物の口座に入らないプラットフォームに流した。一旦銀行の口座に入金した商品購入者のお金は、預金者の承諾なく、架空の口座に流され、奪われたものだ。預金者が騒ぎ始めた時には、詐欺グループは登録を抹消し、主な関係者は国外逃亡を行い姿を消していた。
事件発覚後、預金者が抗議したが村鎮銀行は正規の預金ではないと返金を拒否した。銀行の信用は地に落ちた。強酸党が支配する金融は、機関の安定維持に重点が置かれ、投資家や預金者を保護するものではない。強酸党は不良債権の処理を自尊心から手を付けず、銀行を統廃合することで、銀行の国有化を推進し、預金者の損失に関しては自業自得と救いの手を差し伸べることは微塵もない。強酸党が何とかしてくれると言う神話は崩れ、わが身は自分で守るものだと先行きの不安を見届けるように人民は消費を抑え、箪笥預金を余儀なくされている。これでは、益々、中酷経済は冷え込むのは避けられないでいた。見せかけの中酷経済は、砂上の城が足元から崩れ去っていくように何ら対策もとれず崩壊を唯々見守るしかなかった。
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