幕間 一

第21話

 振り下ろした鎌をそのままに、コユキは瞑目していた。

 祈るように。強く、何かを願うかのように。たった今刈り取った魂が己に流れ込むのを感じながら。

「――いつまで、こんな馬鹿げた事を続けるの?」

 そんな彼女に、淡々とした問いかけが投げかけられた。

「キミが願ったところで、何かが変わるわけでもないのに」

 ゆっくりと目を開けると、コユキは自身の右肩を見下ろした。

 死神の如くな毛並みをした相棒の頭を撫で、微笑む。

「さて、ね……」

 風が吹き、彼女のをすくい上げる。すっかり色が抜け落ちたそれを眺め、小さく呟いた。

「この生命尽きるまで、かな……――」

 なびく銀髪の先に、泣きじゃくるミライの姿があった。

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