第38話 能力者!
突然俺のクレアセンティエンス(危険察知)が発動した。
…この男、能力を使った!!
俺以外の能力者が居るなんて初めて知ったが、何となく解る。
何だ、テレパスか!?
俺に出来るかは分からないが、この男の発したテレパスに抗ってみた。
…無事に成功した様だ。
俺と澪に何か異常がないか密かに確認すると、何もされて無いし何もしていないという
澪は、この男の発する異様な雰囲気に感じるものがあるのか、困惑した表情をしていた。
この男は俺達に何か探りを入れたいのかもしれないが、俺は能力者ですよ、こんな能力を持ってます、なんて自分から敵かもしれない初対面の人間に秘密を暴露する馬鹿では無いだろう。
「フッフッフッ…やっと…やっと見つけた…!
オマエ、能力者だな?
オレのテレパスを弾きやがった…。」
「馬鹿だ、馬鹿がいる!」
俺は叫ぶと同時にヒュプノシス(催眠)を使い澪を気絶させ、脱力して倒れそうになった身体を抱き寄せた。
「誰が馬鹿だ、誰が!
…どうした、急に…仲間割れか…?
どうして女を眠らせた?」
…この男、俺がどんなチカラを使っているのか判ってやがる…
澪を眠らせたのは、俺が超能力者だという事を出来るだけ秘密にしておきたいからだ。
どうやら俺は無意識にプレコグニション(予知)を使っていた様だ、前から江戸城跡に行きたいと思っていたのはこの男のせいか…
ただ漠然と行きたいと思っていただけで、具体的に能力者に会うなんてハッキリとした内容の予知があった訳では無い。
この男、何者だ?何の目的で俺に接触している?
それにもし突然超能力で攻撃された場合、能力者同士で戦った事なんて俺には無いから、どうすればいいのか…
俺が内心焦っていると、男はフードを捲って顔を見せた。
俺達と同じ年頃だろうか、金髪の若干ツンツンとした髪型で、体格はガッチリとしている。
何か格闘技でもやっていそうだ。
「…オマエ、よく見たら物凄いオーラだな…複雑過ぎてオレには判らねぇ…。
その女も何か能力を持っているな、どれ…
オレのオーラ認知が、その女からアンチ・サイの 能力を感じている。
かなり珍しい能力だな…。」
なるほど、澪はアンチ・サイの発展型の能力を持っているのかもしれない。
それで俺の不幸体質を消していたのか…
これでハッキリした、澪も能力者だ。
他人の超能力等を消す事が出来る特殊能力者…
だが、今それが判ったからといって何にもならない、さぁ、どうする…
この男から、他に居ないと思っていた超能力者に関する話を上手く聞き出すか、それとも逃げるか…
話を上手く聞き出すなんて、ボッチコミュ障の俺には多分無理だっ!
澪を抱えて逃げよう!
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超能力の説明を本文に長々と入れると小説自体が読みづらくなるため、長文の場合今後は下記に説明文を入れる事にします。
テレパス(テレパシー)
他人の精神に接触する超能力。非常に多くの事ができ、人の思考を読み取ったり、逆に自分の考えや心情を、口に出さずに相手に伝える事ができる。
オーラ認知
他人の「オーラ」を見る・感じる事が出来る超能力。
ここでは超能力者の持っている能力を知ることが出来る力とする。
アンチ・サイ
その人のそばにいる事で、他者の超能力を消す事ができる。自身の超能力も相殺する為、他の超能力を同時に持つ事はできない
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