いつかのプロポーズ
調子に乗って少し食べすぎたかな。お腹が苦しい…。温泉に行きたいけど、もう少し落ち着いてからにしようかな。
部屋に戻って大人しくテレビを見ていると、亮がガサゴソと荷物の中から何かを探している。
「あのさ、美穂」
「うん?なーに?」
「⋯⋯結婚したいな」
亮が荷物の中から見つけた何かをテーブルの上に置いた。
「いつも言ってるじゃん。そのうちしようねって。だからするでしょ。ってか、これ何なの?」
「開けてみてよ」
言われた通りに開けてみると、そんなに大きくはないけれど、ダイヤのついた指輪が入っていた。
「亮、これって…」
「いつも言ってるけど、これはほら、ちゃんとしたやつ。本気だから」
「…うん…」
「美穂、ずっと一緒にいたい。俺と結婚してください」
「……もちろん、いいに決まってるでしょ」
「良かったぁ」
随分と安心したような顔をしている。断るわけないのに。
「いいんだけど!いいんだけどさ、もう少し場所とタイミングを考えて欲しかったなぁ」
「え?旅行先でいい雰囲気じゃない?」
「いやいや、お腹苦しくってテレビ見てダラダラしてたんだよ。どうせなら、少しお洒落なレストランとかさ、夜景がきれいなとことかさー」
「リアルでそんなの難しいって。俺にはこれが精一杯だって」
「えぇー。頑張れよー」
ま、亮らしいプロポーズだったよね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます