第33話 海(2回目)
「ママ〜あとどれくらい〜?」
家を出て10分、もうすぐで入り口が見えてくるはず……………
「もうすぐのはず…………………おっ見えて来たよ〜」
曲がり角を曲がるとやっと目的地の看板が見えた。
砂浜にはすでに沢山の人が来ていてカラフルなテントが辺りに建てらている。ここの海水浴場は日帰りの人にも開放されているから私たちの様の別荘を持ってる人以外にも沢山の人が来てる。
「わぁ〜!!いっぱいいるね!」
「ふふっそうね。ママ達もテント建てよっか。セラ、エリン、お願いね」
「はい、お任せ下さい」「1番良い場所取ってきますね!!!」
「ソラちゃんは私たちと一緒に来て、ユキちゃんはセラ達にお手伝いをお願いね」
「「はい!」」
さてと、まずは受付に行かないとね。
ここの海水浴場のルールにここを使う人は“受付”をしないといけない。主な理由は犯罪の防止とか個人間のトラブルの防止かな。テントとかにある貴重品が盗まれちゃったり、個人間のトラブルは行楽地には付き物だからね。まあそれでも盗難とか暴力沙汰は無くならないんだけどね。
私は受付を済ませて係の人から“ハンコ”を受け取る。このハンコは自分の荷物とか貴重品にマークを付けて、無くなっても自分の物だって証明するものなの。だから逆に言うと
「さっセラ達の所に行こっか」
自分たちの荷物にマークを付けて受付を離れる。
砂浜を少し歩いてセラ達をすぐに見つけた。
「ふふっお疲れ様。はい、飲み物よ、今日は暑くなるらしいからねしっかり水分補給をするのよ」
私はそう言いながらセラ達に水の入ったコップを渡す。
そして荷物をテント内に入れ、テントを少し広めに覆う設置型結界を置く。これでテント設営は終わり!
あとは……………
「さっ海に行くわよ!」
「「「「おー!!!」」」」
◇ ◇ ◇
みんなで水着に着替える(セラを除いて)セラは『少しすべき事があるのでそれが終わりましたら着替えますよ』と言ってどこかに行ってしまった。せっかくセラのナイスボディが見れると思ったのに、まあいっか。
「にしても…………2人とも白いわねぇ〜」
私は目の前で水着に着替える2人の美少女に目を向ける。2人は全身が真っ白で手足も細い、これを見た男は…………………イチコロだろうね。
「ナギサ様も魅力的な体をしてますよ♪」
「……………ソラちゃんったら〜お世辞がうまいわね〜」
私の体が魅力的?いやいや、そんな訳がない。だって特に大きくもない胸、くびれもない胴体…………これのどこが良いの!?いやまぁ、良い意味で言えば幼児体型(嬉しくないけどね!?)だから一定数には魅力があるかもしれないけど………………私が欲しい魅力はセラのようなボンキュッボンのオトナな魅力なのよ!!
「いいわよね〜貴女達はまだまだ見込みがあるものねぇ〜」
「…………私は小さい方がいいです」
「うん〜?ユキちゃん、そういうのは思ってても言っちゃダメよ?少なからずそれでダメージを負う人がいるんですからね?」
まったく、そう言うのは心の中だけに留めてよ。私が前世でどれだけ大きくしようと努力したことやら………………。
「ナギサ様!武術をやる身としては小さい方が有利ですよ!!」
「……………フォローになってないわよ?」
ニコニコな顔でそんなこと言うエリンに若干の殺意が芽生える。何左右にメロンをぶら下げた奴が言うんだよ、嫌味にしか聞こえないわ!
「ソフィーはママのおっぱい好きだよ〜」
「……………ソフィー、今度王都にある超高級アイスクリーム、2人だけで食べに行こっか」
「え?やった〜!」「「「えっ!?」」」
ふふっやっぱり自分の子供だけが救いだわ。
「さっ泳ぎに行こっか〜」
「うん!」
「はい!後は自由行動、好きにしていいよ!」
私はそう言ってソフィーとテントを出る。
「あっ、危ない危ない。アレ忘れるところだった」
「ママ?どぉしたの?」
私はテント戻って荷物の中から液体の入った容器を持ってくる。
「ソフィー、こっちおいで」
「………?あい」
私は液体の入った容器をシャカシャカと振って自分の手のひらに白色の液体を出して
「ちょっとだけ我慢してね〜」
私はソフィーの露出している部分に白い液体を伸ばしながら薄く塗る。
これをしないと大変なことになっちゃうからね!
「ママこれなに〜?」
「これはね、日焼け止めだよ。これを塗らないと後で痛い痛いになっちゃうからね。もうちょっとだけ我慢しててね」
「…………はい!おしまい。じゃあ入りに行こっか」
「ママ、ママは塗らなくていいの?」
「あら、塗ってくれるの?」
「うんっ!」
「ふふっ嬉しいわね。じゃあお願いするね」
私はそう言ってソフィーに日日焼け止めの入った容器を渡す。
ソフィーは私と同じように手のひらに液体を出して私と同じように塗ってくる。ソフィーの手はプニプニで冷たくて暑さが引いていくような気持ちよさがある。はぁ、幸せ♡
「はい!終わったよ!」
「ありがと〜じゃあ今度こそ入りに行こっか」
私はソフィーと手を握って太陽の光を反射させてキラキラと輝く海に足を踏み込ませた。
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