第41話『私を乗せる孤独な狼』

孤独な狼がタテガミを揺らし

走って来る


体にまつわるしがらみを剥がして

私を乗せて走る

夜風より速く


体にからまる全てを剥がしてくれる

なにもかも


記憶さえ剥がして

私を乗せて走る

孤独な狼が月光の中を


体の記憶を全て剥がして

忘れさせてくれる

孤独な狼がタテガミを揺らし

私を乗せて走る


時間に沿って

未来へ

私の運命から外れるように

走る

私の運命が変わるように


狼の首を

強く抱きしめていないと落とされそう


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る