第31話
娘は気弱にほほ笑みながら、そう答えました。作家は、それを聞いて娘の目を見つめ、力づけるように言いました。
「焦る事はありませんよ。あなたは才能があるんですから。自分を信じることです。ああ、あなたは気が弱過ぎますよ!もっと、自分に自信を持って! あなたが、いいものを書けないなんて、そんなことがあるはず無いんだ!」
実は、この頃、娘は少しずつ元気が出てきていたのでした。二日ほど前にも、アネモネさんにかなり熱烈に励まされたのです。
アネモネさんは、自分の家に娘を招いて、お茶やお菓子をご馳走(ちそう)してくれました。
アネモネさんが、自分で焼いたというケーキはとても美味しく、甘い物が大好きな娘は、ケーキを口に入れて思わずニッコリとしてしまいました。
「凄(すご)く美味しいですわ!」
娘が心からそう言うと、さすがにアネモネさんも嬉しいらしく、ニコニコしながら、「いっばい食べね」と言いました。アネモネさんは、最近見た映画のことや音楽会のことなど色々と話してくれました。
彼女は、映画やクラッシックが好きで、よく映画館や音楽会場に足を運ぶようでした。それらの話を、人の興味を引くようにとても上手に話すのでした。
白鳥の歌 @Ak_i
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