私達のスピード婚からの幸せな話

鴨居 伸

001 初めに

私は、新井小春と言います。


 この物語は、私が出会ったシンとの、他愛もない――けれど私にとってはかけがえのない、ささやかな愛のお話です。


「愛し合いながら生活していく」ということが、難しいのか、簡単なのか――それは人それぞれでしょう。


でも、少なくとも私とシンにとっては、困難だと感じたことはありません。


相性が良いというのは、こういうことなのかもしれないと、ふと思うのです。


世の中では、三組に一組の夫婦が離婚すると言われています。


結婚していても、他の誰かと出会ってしまう。愛を誓ったはずなのに――。


 インターネットの普及によって、人と人が簡単につながれるようになったことも、そんなすれ違いの一因かもしれません。


もちろん、それだけが原因ではないでしょう。


 相性や性格の不一致、子どもができないこと、義理の親との関係。あるいは、夫が働かない、経済的な問題など――離婚の理由は、些細なことから深刻なものまで、実にさまざまです。


人は、いろんな出来事に翻弄されながら生きています。


それでも、私は誰よりもシンを愛しています。


出会ったときから、私もシンも、他の誰かに心が揺れることはありません。(たぶん)


そう誓ったから。信じているから。


そして、私たちは日々、思いやりを忘れずに過ごしています。


 「死が二人を分かつまで」――そんな誓いがあるけれど、たとえ死んでしまったとしても、私はシンとずっと一緒にいたいと思っています。


これは、そんな私と彼との物語です。


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