第六章・第三十三支部の巫覡
御前、授業一時間目が終了した頃合い。
教室へと入って来るのは、真っ白なワイシャツに、学校指定の赤いネクタイを緩く装着している温泉津月妃。
毛量の多い白髪を紐で止めた彼女の目は、何重にも円が浮かぶような螺旋状の瞳孔が刻まれている。
「あー…」
面倒臭そうに声を漏らしながら席に着くと、そのまま温泉津月妃は眠りにつく。
学校とは最早、授業ではなく、睡眠を行う為に通っているのではないのかと思える程に授業態度はあまり宜しくなかった。
既に彼女がこの学校にやってきて数か月。
その間に、温泉津月妃の行動は看過されつつある。
十月機関から学校側に対して圧力でも掛けられたのだろう。
なので、温泉津月妃の行動は、まったくと言って良い程に、腫物と同じように扱われつつあるが、しかし、彼女の性格とは裏腹に身に余る程の美貌が、噂の中心へとさせつつあった。
彼女が起き出したのはお昼ごろ。
しかも、他の生徒によって起こされた。
「あの、温泉津さん」
その声に反応する様に、温泉津月妃は顔をあげると、其処には一人の女性が立っていた。
線の細い女性だ。
それに加えて背丈が高い、男子生徒でも、その身長には叶わぬ程に、この学校では一番であるかもと思える程に、その女子生徒は背丈が高かった。
「ん…」
眼鏡を掛けた女性。
髪の毛は黒く、そして蜘蛛の糸の様に細くて長い。
そんな髪の毛が、足首まで伸びているので、彼女の髪一つで衣服が一枚作れそうだった。
「…だれ?」
誰と言われて、困り眉を浮かべてしまう女性。
改めて、彼女は自己紹介をする事にした。
「
と、其処で彼女は自らの素性を告げる。
その言葉を聞いた彼女は、ああ、と頷いた、そして机に向けて顔を伏せる。
「じゃあ…」
再び眠ろうとする彼女に、上田邑百は声を掛ける。
「あの、ダメですよ、眠ってしまったら、今日は、お話があって声を掛けたのですから」
そう言われて、苛立つ様に眉を顰める温泉津月妃はゆっくりと顔を上げる。
「なに?話って」
その不機嫌そうな表情を確認して、上田邑百は少し恐ろしさを感じた。
これが本部に在籍する十月機関、その威圧ぶりは他の人間とは違う修羅を感じる。
「あの、取り合えず…一般の方には聞こえない所で、…」
そう言って、上田邑百は温泉津月妃を連れて行こうとする。
面倒臭そうに立ち上がる温泉津月妃、そのまま、上田邑百と共に、廊下を歩き出した。
そして、ついた先は生徒会の部屋だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます