第7話

 もう何年も会えていない。

 この土地へ降り立ってから、災いばかりが起こるのはどうしてなのか。旱魃地へ雨乞いをするたまわったというのに、未だ祈雨神きうじんとしてのお役目を果たせずにいる。

 その身は意味もなくくすぶっていた。

 うだるように暑い日差しに、まだお役目を果たせずにいるのかと陰口を囁かれているような気がした。


 ふと、後ろを振り向いた瞬間、は絶望した。


 静か過ぎると感じていたその理由が、波を作り目の前に押し寄せた。時の止まった世界に閉じ込められたのだ。後ろを向いても前を向いても、空を仰ごうと地面を覗こうと、風も人も声も虫の音さえも、この世界には存在し得ない。

『無』という閉塞感に息の詰まる日々。気が触れそうになる。

 それでもでいられるのは、ずっと貴方の迎えを待っているから。


 ——早く、迎えに来て……。

 ——早く、を見つけて……。


 悲痛な心の叫びは、閉ざされた世界からは届くはずもない。

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