　月末の映画を1週間後に控えたある日、拓実は就職祝いも兼ねて智花にプレゼントを渡すことにした。

　去年のクリスマスの日、僕は彼女に電話で告白していて智花も「拓実くんが私のことを好き」という気持ちには気づいているはず。告白された直後で少し気まずいはずなのに、僕が行きたいと言った映画になんの躊躇いもなく一緒に行ってくれるのはどういうことなのだろうか。

　最初の出会いがアテンダントの提供者と利用者という関係だったから、好き嫌い関係なく智花にとっては「拓実くんの行きたいところに付き添ってあげる」感覚なのだろうか。。。

「うーん…何がいいのかな…」

　拓実は男友達の亮介（りょうすけ）と一緒に、近くのショッピングモールにプレゼントを買いに来ていた。

「亮介、どれがいいと思う？」

「分からないよ～自分があげるものなんだから自分で決めな」

　拓実が買おうとしているプレゼントは「ハンカチ」だ。学校の先生になる智花にとってハンカチは毎日の学校生活で使うものになるだろう。

「よし！これにしよう！」

　僕が選んだのは彼女の好きなオレンジにワンポイントの刺繡が入ったハンカチだった。

「よし！これで1週間後の映画がさらに楽しみだ！｣

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