第43話「屋上の地縛霊」
「…え?この学校でまだ未解決のものがあるって?」
放課後になりそろそろ部活に行こうとしたら、妙子ちゃんと先輩たちが私のクラスにきてくれた
「そうよ。前に、貴女が来てくれたときに色々な心霊、あったでしょ?」
確かにそうだ。まだ妙子ちゃんが入院してるときだ
「えーと…」
「愛子さん。忘れましたか?恋人同士が引き裂かれた話を。そして飛び降り自殺をしそうな屋上を?」
あ。そうだ思い出した。それは真相を突き止めてないんだった
「まあ…ウチがいないと難しいでしょう。そういう場合は任せて」
さすが妙子ちゃん。本当に頼りになる
「でも屋上って普段しっかり施錠されてますよね?」
「あるのよねー。ここに」
おや?雅先輩の手に鍵があった
「実は顧問にお願いして渡してくれたのよ」
どういう説得をしたのかわからないけど雅先輩もさすがよね
「…さ、行きましょう。今日は屋上に行くわ」
こうして4人は行くことに
~
「ふう…屋上への階段。きついわね」
「あとちょっとだよ妙子ちゃん」
もちろん学校なのでエレベーターなんてものはない
家の階段とは違って学校の階段は結構急な階段が多いのよね…
さて、私たちは屋上前の扉まで行こうとしていた。だが、誰かいたことがわかった
「おや?」
それは水色の髪の毛をした私と同じぐらいの身長と金髪ロングで背の高い女の子だ。間違いなかった
「うふふ…美優ちゃんと付き合って…なんだか嬉しい気持ち」
「そうだな…アタシも女の子と付き合いたいって希望、あったからな」
え?まさかこの2人…?
「…ん!?そこにいるのは!」
ばれた。だが逃げることはできなかった
「渚に…美優?一体?」
雅先輩は不思議にいう。それはそうだろう
先輩が言うと彼女らは顔を見合わせて、言った
「愛子、先輩たち…これは言うか…実はアタシと渚、付き合うことになったんですよ」
「そうです。私は美優ちゃんがもっと知りたくて…だから私から告白したんです」
へ~。前に人間相手に襲撃を追っ払ったときに抱擁してたけど、やっぱり好きだったんだ
「あら…ウチの愛子は付き合ってるわよ」
「そうね。私と桃子も付き合ってるわ」
そう言うと2人は驚く
「なんと!じゃあ好都合じゃないっすか!良かったな渚!仲間だぞ!」
「うん!思わず言ったけど、凄い良いことだよ!」
仲間…まあ仲間には違いないわね
「貴女たちは既にどのぐらいの仲かしら?」
「それは…」
2人は私たちの目の前でキスをした。あら~結構良い仲良しね
「このぐらいっす」
「わかったわ。じゃあ…ついてきて」
私たちは屋上扉前まで行く。そこで施錠を開けて扉を開く
屋上なので開放的な広さがあった。施錠されているから全員の生徒は使えないことは確かだ
「妙子ちゃん、ここは水晶玉使う?」
「もちろんよ」
左手に水晶を。私たちは歩くことになる
「さて…どこらへんがスポットなのかな」
一周するように歩いてみる
屋上ちょうど真ん中付近だろうか。水晶玉が光っていた。何か霊でもいるのだろうか?
「みんなここでストップ。特に美優と渚は近寄ってはだめよ」
当然事故防止の金網はあるが、どうも何かあるらしい
「近寄ってはだめとは?」
「…地縛霊。人を誘い飛び降りさせるような気がある。これは霊感あるなし関係ないものね」
うーん。そうなるとちょっと怖いかも。この前の地縛霊とは違うタイプ?
妙子ちゃんは金網越しからちょっと顔を覗かせてすぐ私たちの方向に向いた
「屋上はわかったわ。次は裏庭あたりね。そこに行きましょう」
「何か解決策があるんですか?」
「ふふ…簡単よ」
何か不敵な笑み。という妙子ちゃんの顔を見れた
~
妙子ちゃんの水晶玉が光ったその真下に来た
裏庭になっており人はそこまで来ない。むしろただ雑草があまり生えてない、特に変わった植物もない庭だった
外に出て裏庭へ行く。その真下に来て妙子ちゃんはまた水晶玉で確認。確かに光る
「何をするの?また聖水使うの?」
言われると妙子ちゃんはカバンから何かを取り出した
…それは蝋燭だった。ちっちゃい蠟燭。でも太い。と言った蠟燭だ
「蝋燭…っすか?」
「なんですか?」
私たちは初めて見る除霊グッズだろうか。妙子ちゃんはこちらに向く
「…今からウチがやることは校長先生や顧問の先生には秘密にしてね。地縛霊はこれが効くの」
妙子ちゃんはマッチをすり、その蠟燭に火を灯して、その場に置く
「これは除霊蠟燭。ホーリーキャンドルなんて呼ぶわ。その地にいる霊に効く蠟燭なのよ。前にやった聖水をかけるとは違った除霊よ」
また初めて知った除霊グッズがあるなんて…
「確実に効けば、地縛霊は消えて蠟燭も役目を終えれば蝋は無くなる。そういうものなの」
なるほど…その場に止まっている霊ならこれが有効的。というものか
蠟燭の火はゆらゆらと動く。きっと効いているという揺らめき方なのだろう
「これで…終わりですか?」
「ええ。こういう霊は対処が簡単だからね」
私や雅先輩と桃子先輩はあまり驚いてないが、渚ちゃんと美優ちゃんはさすがに驚いている
「終わりよ。さ、次は部室に戻って渚と美優の馴れ初めを聞きたいわ」
「わ、わかりました!」
「と言っても付き合ってまだ日にち経ってませんけどね」
こうしてまたひとつ、除霊を終えたのであった
終わり
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