第26話 嫌な想像だけがどんどん膨らむ

 その後、別の車がやってきた。

 顔は見えないけど、声の感じからすると、運転手は若い女みたいだ。


 ボクを中に押し込むと車は走りだした。


 場所はおそらく後の席だろうか?


 隣にいるのはさっきの少年で、前の助手席にはメガネの男が座っているみたいだ。


 運転手の女と眼鏡の男は何やら口喧嘩をしている。

 どうやらボクを連れて行くことは、想定外の出来事だったみたいだ。

 

 車に乗る時、となりの少年がボクのポケットに手を入れ、スマホと財布を抜き取るのがわかった。


 これは拉致監禁だろうか? 

 それとも誘拐?

 目的は親を脅して身代金を要求すること? 


 でも、ウチはそんなに金持ちじゃないからな。

 金が払えなかったらどうなるのだろうか?


 嫌な想像だけがどんどん膨らむ。


 状況は最悪だった。

 

 でも命のやりとりをした後だったからか、どうにも危機意識が沸かない。


 さっきの戦いに比べれば最悪よりはちょっとマシだと思っている。

 感覚が麻痺しているみたいだ。


 何より二人はボクのことを助けてくれた。


 始末するつもりなら、あのサラリーマンといっしょに始末していたと思う。

 じゃあ目的は? あと何分くらい、この状況が続くのだろうか?


 30分くらいなら耐えられるけど


 2時間、3時間かかるようなら、トイレが心配だ。

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