第2話

いつもと同じ色の無い朝、今日はどの曲を奏でようか


片手間でクラシックを再生し、

今晩のコンサートに向けて指揮棒の手入れをする


今晩のコンサートは毎年行われている定期コンサート

本番用の手入れを終え、リハーサル用の指揮棒を選ぶ


「今日は一昨日届いた高校生にしよう」


まだ若干の血生臭を纏う指揮棒はこの世界の穢れを知らないまま

純粋無垢の雰囲気を漂わせながら私と共に世界を旅するのだ


真新しい指揮棒をそっとなぞると

私は高揚感に包まれ、絶頂に達した

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